悪い予感
【セイ】「あの、お祝いの件は有難いのですが。。。」
【俺】「?」
【セイ】「ヒロ様はよろしいのでしょうか?」
【俺】「!!」す
(すっかり忘れていた。)
「屋敷が解放されたことは、すでに誰かから連絡は入っているだろうし、今頃城門付近の宿で妻子と。。。 」
(あの堅物が城門を超えて入ってくるか?
来ないな。。。 悪い予感がする)
「『セイ』急ぐぞ」
【セイ】「はい」
城門に急ぎ街の外を見ると焦燥感からやつれたヒロがいた。
【俺】(正直にあやまろう。)
「遅れてすまない。」
朦朧とした『ヒロ』が頭を上げ、俺の肩を掴んだ。
【ヒロ】「それで、、、それで妻子は無事か?」
俺は頷いた。
【俺】「無事保護できた。疲れている様には見えたが怪我はしていない。『宿にお連れする』とお前の部下が言ってた気がするので、
どこかの宿で今頃休んでいる筈だ。』
ヒロはただ、ただ黙っている。
しばしの沈黙の後
【ヒロ】「貴方様には色々言葉に尽くせないほどお世話になった。御礼はしたいが、俺は勘当された身でできることもない。」
【俺】「もともと礼なぞ期待してない。『キル』を助けるあくまで『ついで』さ。」
【ヒロ】「『ついで』、、、か。かたじけない。」