売り言葉に買い言葉
【キルの父】「しかし神官長、一度交わした約束を違えるとなると『音の一族の信義』が問われるぞ。そこはどう思うのかね?」
なおも抗議をしてくれようとしている『キルの父』に対し目で制し、
『音鳴り』で囁く。
【俺⇨キル父】「お気持ちありがとうございます。『自分で儀式を行って良い』との言質が取れれば充分です。」
【俺】「神官長、『精霊おろし』を自分で行う事の許可を頂きありがとうございます。『アブシードラ』あたりを召喚出来たらご報告に上がります。」
【高位の神官】「ははは、そんな馬鹿なこと。『他国者の素人』に万が一そんなこと出来たらこの職を辞した上、何でもお望みのこと一つ叶えてあげますよ」
【キルの父】「ではその旨この若者と
契約を交わして貰えますな。一度約束を違えている訳ですから『本』にての契約にして貰わないと。。。」
【俺】(伯爵の為に穏便に済まそうとしてたはずだったんだよな?)
【神官長】「我が名において誓おう。この若者が独力で『音の精霊』を宿せた場合、『我が地位を降り、一つこの者の願いを受ける』」
契約は双方の呼名を用い『本』に記載された。
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多少?険悪な雰囲気になった神殿より
屋敷に戻った。
【俺】「あんなに挑発されて大丈夫ですか?」
【キルの父】「私の顔に泥を塗った上、我が家の大事な客人である『ショウ』を愚弄しおったからな。
それに、間も無くあやつは『神官長』を辞することになるのだろう?
お主のこと故、何らかの勝算があってああ言う話をしたとみた。」
【俺】(それって買い被りじゃ、、、)
逃げ場の無くなった俺がいた。