踏み込みのタイミング
作戦名:『音の都人質奪還作戦』
実施日:本日夕刻
目的:人質全員の無傷奪還
留意事項:貴族邸である為、具体的な証拠が出ない限り、ヒロの配下の突入は見合わせる。
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作戦遂行まで時間があるので
疑問に思った事を聞く。
【俺】「この屋敷はキルの父がいない間、誰が管理していたんだ?」
【ヒロの部下】「『イルト男爵』ですね。」
【俺】「イルト男爵?」
【ヒロの部下】「公爵の妹君の旦那様です。」
【俺】(キルの父って公爵だったのか。単なる『著名な音楽家』だと思っていた。。。
国王選出の権利を持つ家柄なら当然か。
そして、『イルト男爵』は『キル』の義叔父?そう言えば昔『音の都』に叔母がいるとキルが言ってたな。)
「もし、公爵が無くなったら爵位は?」
【ヒロの父】「貴族の称号は男系の世襲制だ。
『イルト男爵』が継ぐだろうな。」
【俺】「財産と『キルの親権』は?」
【ヒロの父】「『イルト男爵』だ。」
【俺】(『デルデッティ』が、炎の都から『キル』が出るのを止めなかったのは、どちらに転んでも『キル』の親権を彼らが握れると踏んでいたからか。
こいつらは『キルの父』を葬ることによって、財産とキルの親権そしてこの国の命運を握ろうとしていたんだな。
出来れば黒幕がいるタイミングで踏みこみ、膿を出し切りたいな。)