魔法使いの弟子?
アジトの目星がついた事を早速『ヒロ』に伝えた。
(口に出さないが、きっと焦燥感で一杯だろう。)
『鐘』がキーとなる事、また何故キーとなるかについて説明した。
【ヒロ】「鐘は『音の寺院』の鐘だと思います。『キルさま』のお屋敷からも聞こえた気がします。」
【俺】「街中に鐘は一つじゃないだろう?」
【ヒロ】「勿論そうです。ただ印象に残る音で『キルさま』が咄嗟に浮かぶとなると。。
その音を私が聞ければ確証が取れるのですが。』
分かった。聞かせてやろうじゃないか。
さあ驚け(笑)
『音鳴り』を操り、耳元で『鐘の音』を奏でた。
【俺】(どんなリアクションを。。。)
【ヒロ】「間違いなく『音の寺院』の鐘の音です。カーンカーンカーンと始めに前触れが鳴った後、一拍おいてからリンゴンと続くこのしらべ、間違いないです。」
【俺】(鐘フェチ?か。。。
しかし何のリアクションなし?
これだけ?
このカタブツ ヤロウ)
一方俺の横では『セイ』が固まっていた。
【セイ】「あの、ご主人さま。。。今使われたの『音魔法』ですよね?『風』ではなく。。。『音の精霊』とも契約されているのですか?
凄いです。」
何とも微妙な顔だ。
【俺】(そう言えば『セイ』は『音の寺院』へ精霊契約の為、送られる途中だったな。)
【俺】「俺は精霊との契約はしていない。機会が無くて。それに風使いでもない。』
(ウォーウルフとの戦いでは幌中だったから『風』を使って戦ったと思われたか。この風貌だし。)
事実を話した。
『ヒロ』は何も言わない。野営戦で
おそらく推測したのだろう。
『セイ』が何か言いたそうにしてるのが分かったので、言ってやる。
【俺】「『精霊魔法』は教えられない。だが俺が作った『音魔法』なら『セイ』も使えるように出来る。教えようか?」
言ったとたん『セイ』の顔から
涙が溢れだした。
(『魔法を習得していない』って事が相当コンプレックスになっていたんだろうな。
『俺の奴隷になる』って選択をした際に『音の神殿』での魔法習得の機会は閉ざされたと締めただろうし。)
こうして『セイ』は弟子兼奴隷になった。