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残念
『月明かりの下、涼やかな歌声とともに銀色の狼が連なり走ってゆく
その背にはエンジの髪に一房の緑をした乙女達が』
暫く後、この地方の吟遊詩人により歌われた詩にはこう記されている。
銀狼に乗ってたのは俺だし、知る限り『セイ』は歌なぞ歌えなかったし、俺達は乙女じゃなかったけどね。
いずれにせよ、銀狼達のお陰で機動力は
かなり上がった。銀狼達の休憩時間や狩りの時間を含めても1日の移動距離は格段に上がったのは間違いない。
何より、かれらが狩りをしたり休んだりする際、俺たちも揺れない地面で休みを取れるようになったのはラッキーだった。
銀狼に乗り換えてから3日目の夜
テイムしていた2羽目の鷹が敵のアジトに着いた。
そこで俺は重大なことに気付いた。
(しまった。。。こいつ鳥目じゃん)
ギャハハハ
笑い声が聞こえた気がした。