出発
三度目の襲撃はウォーウルフの群れによるものだった。
「ヒヒーン」といななく馬の鳴き声に
幌の中でうとうとしていた俺は目が覚めた。
気付いた時は既に遅く、周りを完全に囲まれてしまっていた。
1頭、2頭、3頭、、、
全部で8頭か。
(逃げきるのは難しいな。)
一際大きい銀狼が多分ボスだろう。御者台にいた『ヒロ』を幌内に引っ込め俺は馬車から降り立った。
残念ながら馬は首筋を切り裂かれこと切れていた。
早速ボスを睨みつけ『威圧』を唱え
魔力でボスを押しつぶすイメージを持つ。
「クーン」
何か察したのか。。
尻尾を丸め恭順の意を示した。
すかさず『テイム』名は『銀風』と名付けた。
驚いたことに、ボスのテイムが終了すると共に群れすべてが眷属化されていた。
(こんなテイム方法もあるんだな。)
それぞれ
『まだら』『片耳』『オヤジ』『スニーカー』『ホワイト』『濡れバナ』『疾風』と名付けた。
馬肉は彼らに与えた。
さて、馬が死に足が無くなった。どうしよう?
こいつらに馬車を引かせるか?
でも馬の引き具じゃ合わないし。
試しに銀狼にまたがり「走れ」と指示したが数メートル走っただけでふり落とされた。
今度は落ちぬように、ロープでくくりつけた。
何とかいけそうか?。。。
乗り心地は最低だが、贅沢は言えない。
今は進まねば。
最低限必要なものを馬車より出し、
それぞれにくくりつけた。
さあ出発だ。