威圧
鷹を追ったことにより、音族の子供のいる場所は特定出来た。
こちらは取り敢えず差し迫った状況では無さそうだ。
(後の対応でも構わないだろう。)
ただ、『セイ』には場所の目星がついたとだけは伝えた。
夜も移動をする事にしたせいか、モンスターとのエンカウント率が格段に上がった。
最初の晩なんと長さ8mほどの『サラマンダー』が火を吹いて迫ってきた。
『勝てないケンカはしない』
『三十六計逃げるに如かず』
の法則に基づき
『めまい』で『平衡感覚』を奪い
『ボム』で『聴覚』を奪った後、
混乱状態の『サラマンダー』を尻目にとっとと逃げだした。
次にエンカウントしたのは『ウッドバット』で、空から攻撃してきた。超音波で位置を確認している様だったので、『音鳴り』で撹乱し簡単に撃破した。
実はこいつには『テイム』を試みたのだが、力の加減が出来ず『テイム』する前に倒してしまった。
【俺】(力による『テイム』は不便だな。実力差を分からせ、戦わずして従わせる方法は無いものかな。)
試しに『コトワリ』に聞いてみたところ
『ヌシの魔力量なら可能』との答えを得た。
【俺】「方法は?」
【コトワリ】「魔力を実体を持った『力』と感じ、その圧力で相手を押しつぶす(飲み込む)イメージを持てば良い。」
【俺】(分かったような、分からないような。練習あるのみか。)
飛ぶ鳥を見つめ練習をしたところ
数度目でなんとかできるようになった。
-面白い様に気絶して落ちてくる。
(今日は焼き鳥にしよう。)
この能力を本で「威圧」と定義し、いつでも
使えるようにしたのは言うまでもない。