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縁
【ダルダロス】「さてと。生きているか?
ワシはこの商館の主人『ダルダロス』だ。
なんでも、お前は養い親に報いる
為に自分から奴隷になった骨のある奴
なんだってな。」
そう言いつつ縄目を解いてくれた。
「。。。。」
【ダルダロス】「しかし、『オルガ』も何故敢えて炎の一族を相手にお前を売ったんだろうか? 一族を離れ森に一人で住む
偏屈もの故、『世情を知らなかっただけ』かもしれんが?
大体あの偏屈者が孤児を拾って育ててた話なんぞ、ワシは知らんかったぞ。
【俺】 (やはり、そういうことか。)
俺はダルダロスに、この世界に召喚されて
からの経緯をコトワリと天邪鬼の事を除き全て語った。
【ダルダロス】「にわかに信じ難いが、あの『オルガ』が拾い子を養い、育てたと言う話よりは信じられるな。何とかしてやりたいが
。。。
奴隷の契約を済ませてしまった後だからな。取り敢えずは、 お前の新しい主人に到着まで時間がまだかかると言っておこう。
身体が治るまで養生すると良い。」
久々に聞いた人間味のある言葉だった。