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キル?お前か?
【俺】「なぜ君だけアジトから連れだされたんだい?」
【娘】「私が条件に一致していなかったからです。」
【俺】「条件?」
【娘】「私の家は、その、お金がなくて。。。
『音の神殿』での『精霊おろし』儀式を行うだけの『お布施』を払えなかったのです。」
凄く恥ずかしそうに言った。
【娘】「アジトでも、常々『魔法を使えないなんて。 この穀潰しが。。。』と言われてました。」
【俺】(どっかで聞いたような台詞だな)
「それで?」
【娘】「奴らは『音の神殿』に私を連れていき、精霊魔法を習得させようとしたんです。」
【俺】(という事は彼らは精霊魔法を使った
儀式を考えていると言うことか。)
「魔神復活を奴らは考えているみたいだからな。」
【娘】「『魔神』復活には『目覚めの歌』を三日三晩奏でなければならないそうです。
その為、音族の子供を集めているとか。
各章は皆で繋げば何とかなるみたいですが、最後の章だけは一気に一人で歌いあげる必要があると彼らは言っていました。
それこそ『巫女クラスの才能の器』が必要みたいです。」
【俺】(もしかして?)
【コトワリ】(そう、『キル』じゃな。)