へんしん
道中俺の能力『テイム』の話とともに
ご家族救出のタイムラインについて『ヒロ』と話した。
少女は疲れたのか後ろの幌で寝ている。
【ヒロ】『時間との競争ですね』
【俺】『まだ希望はある。せめてあと半分時間を短縮できれば」
この際、反対方向に飛んだ伝書鷹の事は考えないようにした。
しばらく、お互い無言で馬車に揺られていた。希望が無い事はないが、見通しが厳しいのは『ヒロ』も俺も分かっていたからだ。
【俺】(待てよ?タイムラインを見直していた俺はあることに気づいた。
まだ短縮できる余地はあるじゃないか。
『寝てる時間』と『休憩してる時間』
ずっと走らせたら?
時間を半分近く短縮できるんじゃないか?)
急いで『ヒロ』に計画を打ち明ける。
作戦名は『死のロード』とした。
まず、俺とヒロで2交代制にし、昼夜を問わず馬車で走り抜ける。
その際、基本食事も睡眠も馬車でとる。
夜間モンスターに襲われた場合には俺が撃退し安全確保。
馬のスタミナ切れについては途中途中の部落にて乗り捨て購入をくり返し、回復は待たない事にする
(ただお金が持つか。。。)
何か察したのだろう。ヒロが言った。
【ヒロ】『金はあります。後の事を考え奴のサイフは貰ってきました。』
何か言いたそうな俺を見て
『汚い金もキレイな金もない。金は金です。』と言った。
それもそうだな。
その時、後ろでゴトっと音がした。
起きたのか?まさか聞いていた?
【俺】『ご主人さまのいる町まで、まだ暫く着かないよ?それともお腹が空いたの?』
【娘】 『話があります。」
昨日までのオドオドした不安気な少女の姿はそこには無かった。