到着しました。
約一カ月の道のりを経て
王都に着いた。
中世の街並みを彷彿させる
煉瓦作りの家々が連なる綺麗な街並。
高台の貴族達が住む壮麗な館練。
さらに奥まったところには贅を尽くした王宮が聳えたっているのだが
俺にはそんな事を楽しむ心のゆとりは
無かった。
檻を乗せた馬車で長時間ゆられ、
拘束されていた為、身体は痣だらけになり
床擦れをおこしていた。
【俺】(やっとこの状況から解放される。)
思った事はただ、それだけだった。
街中に入って半刻ほど揺られた後、
突如馬車は止まった。
前回の村の数倍もあろうかという
規模のドワーフ商館の前だった。
俺を運んできた奴らは
いそいそと商館に入って行った。
早く引き渡しを終え、飲み屋にでも
繰り出したいんだろうな。。
他人事のように俺は考えていた。
商館から大柄なドワーフが出てきて
俺を運んで来た奴らをなんか殴ってる。。
どうでも良いが。
【ドワーフ】「商品をこんな状態で運んでくる奴があるか!!」
【俺】(商品の心配か。他に何か運んでいたんだな。)
【タクルート部下】「だってコイツ逃げようとしたんでっせ。暴れるし。何人か実際噛まれたんですよ。」
【俺】(動物も運んでたんだ。。。)
【ドワーフ】「奴隷の掌紋を魔法で付けられ、枷で縛られた奴がか??お前達の事は後で雇い主に行っておく。『本』を置いてとっとと立ち去れ」
【俺】(オレのコトか。。。)