残ったのは?
キルの父親は暫く思案した後
近くの木に行き枝を折った。
そしてその枝を振りかぶり
ヒロに叩きつけた。
【キルの父】「今、我は裏切り者『ヒロ』を成敗いたした。屍は野に放置され、朽ち果てるだろう。かの者の名を音の都にて口に出す者は無く、かの者の安住の地も都にはもはや無い。」
そう言うとキルの父は背を向けた。
【俺】(死んだものとして、見逃すと言うことか。でも、都にはお前の居場所はもう無い
ってことだな。温情?微妙だな。。とりあえずこの件は後回しだ。早くしないと時期を逸してしまう。)
【俺】「キル、お別れだな。」
【キル】「二回に分けてハリアーに乗れば解決じゃないの?音の都へ両親を送ってすぐ戻ってくるから。」
【俺】「俺を迎えに来る間、ご両親の安全は
誰が守るんだ?。それに、知っての通り俺は旅を続けなければならない。」
「それに。。。」
【キル】「それに?」
【俺】「俺たちは真名で繋がっているパートナーだよな?また縁があればすぐ会えるさ。
今は両親を助け、守る方に専念した方がいい。」
そう言うと俺は『ハリアー』を側に呼び、キルとキルの両親を落ちない様ロープでくくりつけた。
【キルの父】「『音の都』に来る際は必ず当家に寄って下さい。」
【俺】「必ず顔出しさせて頂きます。」
「ではお身体にお気をつけて。」
握手を交わした。
キルは何か言いかけたが、構わず『ハリアー』に飛び立つよう指示した。
『ハリアー』は頭上を一周した後、『音の都
』の方角と思われる方向へ一直線に飛んでいった。
残ったのは寂しさだけだった。