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奏でる音

待ち伏せをしている奴らが『誰か』を狙っているのは分かった。

でも肝心の『誰か』が分からない。


単なる『仇討ち』の可能性もある。

善悪を知らない人の仇討ちに構っている時間は正直ない。


【俺】(あとチョット確証が欲しいな。時間が欲しい。馬車を止め時間を稼ぐか。でも、どうやって止める?)


この世界の常として、護衛を複数騎連れている馬車以外は道を走っている馬車は基本止まらない。減速した所を襲われるリスクがあるからだ。だから街道を行く馬車は結構なスピードで走っている。


【俺】「馬車を何とかして止めたいな。

なんとか出来ないものか。。。」


【キル】「任せてください。馬車より先に着地してください。」


キルに任せる事にした。


キルは道横に立つと『音鳴り』を使い

音楽を奏で始めた。


夕刻が迫った街道にもの悲しい音が響く。

胸に染み入る荘厳な音楽だった。


【俺】(凄い。。。。)


思わず聞き惚れてしまった。


勢いよく迫りつつあった馬車は徐々にスピードを落とし、そして止まった。

そして馬車よりも、同じシラベが流れ出し

絡みあった。


。。。。


音が止むまで身じろぎ一つ出来なかった。


終わると馬車より、音族2人が降りてきた。

キルは近づき耳元で何か囁いた。

驚いた顔が見えた気がした。


【俺】(ちゃんと娘と分かって貰えたんだろうか?)


もの陰で見ていた俺は心配でしょうがなかった。。。


その後、3人は抱き合い泣き出した。。

良かったな。


後でキルに聞いたことによると

キルが奏でた曲はキル一家にのみ伝わる

秘伝の曲で、耳打ちした内容はキルの真名と

両親の真名であったそうだ。


『変わらずキルは賢いな』と俺が感心したのは言うまでもない。


驚いた事に、キルの外見が変わっていたのにも拘らず、キルの両親はキルをキルと認めたのだった。


後は、前方の障害だけだな。

敵と見極め出来たから遠慮はいらないか。

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