キャラバン
夜が明け俺とキルは
キルの両親が向かったと言われる
『サメニア』に向かい出立した。
基本街道に沿って飛び、高高度から
強めの『ソナー』をかける。
4日遅れなので、最初はひたすら距離を稼ぐ。
その日の夕方、村らしき灯が眼下に確認出来たころ、村手前、8kmの所に馬車を捉えた。
そしてその前方3kmに15名ほどのキャラバンが野営の準備をしているのも捉えた。
【俺】(キャラバンか懐かしいなあ。『アクス』達は元気にやっているんだろうか?)
キャラバンと数日ともに過ごしたころの記憶が蘇った。
ん?待てよ?何か変だ?俺は何となく違和感を覚えた。
微妙な違和感だが、こういった違和感は無視しない方が良い。
(良く考えろ?良く考えろ?)
思案顔の俺を見てキルも『ソナー』を開始した。
【キル】「手持ちのお金がないんでしょうか?」
ん?
【キル】「こんなに村が近いのに。
若しくは、村の位置が分からないんでしょうか?」
俺は、前に座っているキルを
思わずギュッと抱きしめた。
それだ‼︎
基本積荷を運ぶキャラバンは
宿泊する村が無い限り、野営を選ばない。
(勿論駆け出しのルーキーは別だ。)
少なくとも、10人を超える規模のキャラバンはそれなりのお金を持っている為、村の宿代は絶対ケチらない。野営し『積荷を奪われるリスク』を考えれば村の宿泊代ぐらい安いものだからだ。
だとしたら彼らはキャラバンを装おった『なにか』だ。