あとチョット。
キルと相談した上で進路変更する事にした。
ワイバーンにより飛躍的な機動力を得た今、陸路を近道して先回りし、いつ来るか分からない馬車を待ち伏せする方法を取る必要は無くなった。
むしろ後追いして痕跡を辿り確実に捕捉する方が良策と思えた。
そこで機動性をいっそう高める為、
三手に別れた。
『モウ』と『キリ』は
近辺の森へ放ち
(常に二匹一組で動く事、
『モウ』は『キリ』へ乳を与える事
『キリ』は『モウ』を外敵より守る事、
この三点をキルから命じさせた。)
『デッカー』は元の住処に戻り待機するよう命じた。
そして俺とキルは『ハリアー』に乗って船の終着地『フェルマー』まで向かい、そこからキルの両親の馬車を後追いする事にした。
それからは一度森まで戻り
それから『フェルマー』まで大河に沿って4日間ほど飛んだ。
『フェルマー』近郊に降り、町に入った。
キルの両親が好みそうな宿を片端から当たる。
数件目にして『体調悪そうな音族の夫婦とお付きのものを数日前泊めた』という宿にあたる事が出来た。
4日前まで居たと言う。
間もなく追いつけるな。
宿の者に聞いたところ次は『サメニア』と言う宿場町に向かうと言っていたらしい。
気持ちははやったが夜の移動を避け
久々にベッドに寝る事にした。