結婚詐欺師
【タクルート】「久しぶりだなホーバル以来か。 奴隷のガキが栄光あるドワーフの商館の一員に紛れこんでるとはな。」
【俺】「タクルート、貴様。。」
殴られた。
【タクルート】「タクルート商館長様だ。少なくとも今はお前の上司だぞ。もっともお前の権利はすぐ剥奪されるだろうがな。」
【俺】「ダルダロスさんはどうした?」
【タクルート】「ああ、あのドワーフ一族の面汚しか。すでにお前の仲間1名と共に宮殿内の牢屋に入れてある。残り一名は企みがバレタと分かるやいなや娘と逃亡を図ったがな。捕まるのも時間の問題だろう。」
仲間?娘?
話の筋が見えない。
何のことだ?
【タクルート】「お前がダルダロス達と図り大恩のあるセツ男爵の娘を拐わかしたということはもうわかっている。
奴隷紹介をした私とターメル第4王子の顔に泥を塗りおって。」
激しく蹴飛ばされた。
【俺】(紹介?お前とオルガが俺をはめただけだろう。というか、赤髪って王子だったんだな。)
「エレナがどうしたんだ?
俺はエレナを助けるこそすれ拐かすなどしていない。キネカさん達に聞いてくれ。」
【タクルート】「エレナだと?雇い主の娘を呼び捨てするだとは。。
残念だな。『キネカ』とやらは逃げた。
そして、これが動かぬ証拠だ。」
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『お父様、お母様へ』
から始まるエレナの手紙だった。綺麗な字でびっしり
書いてある。
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そして最後に
『私はショウを追い、風の神殿に向かう事とします。
探さないで下さい。
今まで私を大事に育てて頂いたご恩一生忘れません。
あなたの大事な娘エレナより、永遠の愛を込めて』
と括ってあった。
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えーと、若しかして、
エレナは俺に誑かされて
駆け落ちした事になっている。。。とか?
【タクルート】「言い逃れできまい。しかもお嬢様はご自身の宝石類、ドレスなどを売り払い、数千シルクもの大金を手にされたと調べはついている。」
どうやら俺は稀代の結婚詐欺師になったらしい。