勝利
俺がターゲットとした相手
それは自家用飛行機だった。
ワイバーンはいわゆる亜龍の一種であり
『龍』とつくものの本物の龍と比べると
圧倒的に弱い。
(弱いといってもあくまで龍との比較だが。)
まず、知能が龍とくらべ低い。
それに体格も小ぶりで、
なにより火魔法やブレスが使えない。
ようは、音魔法がある程度使えるようになった俺とよい勝負ってところだ。
俺がターゲットにした個体は全長20メートル
ぐらいでワイバーンの中ではやや大きめ
だった。
ハイドのアドバンテージは初撃がすべてだ。
『キョウシン』を強出力で、ワイバーンの目に向け打ち込む。
ワイバーンは視覚を奪われ軽い恐慌状態になったのか、メチャクチャに尾を振った。
が、俺はもちろん尾の射程から離れている。
尾にあたる感触が無いと知ると
今度は嗅覚を利用し
俺の位置を探ろうとしてきた。
(飛びたってくれないと困るんだがな。。)
耳元で大音量の『ボム』を鳴らす。
すると追い立てられるように
ワイバーンは飛びたった。
(まだ高度は低いな)
もう一発
『ボム』
さらにワイバーンは高度を上げた。
(そろそろいいか。)
音魔法『目眩』を高出力でかけた。
ワイバーンの飛び方が、ヨロヨロしだす。
最後はやっぱり『キョウシン』だな。
『キョウシン』をワイバーンの翼の
一番弱いと思われる皮膜をイメージし
最大出力でかける。
ビリッと皮膜が裂け、ワイバーンは墜落した。
なんとか立て直しを試みたようだが、
『メマイ』によって三半規管がやられている
ワイバーンには無理だった。
墜落し、絶命した。
やっつけたぞ。