表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

さばえたいよう

作者: まにぃ
掲載日:2014/12/03

昔その場で思いついて友達に話したところ、

友達が笑い転げていた話が元になってます。

自分でも何が受けたのか分かりませんが、

あなたが読んで確かめて下さい。

ちょっとした息抜きにどうぞ。

 都市伝説だと思っていた。

 実際にそれを見るまでは。



 ゴールデンウィークに、友達2人と金沢から京都へ旅行することになった。

 友達が運転する車に乗って、僕は後ろの席、もう1人は助手席に乗った。

 運転する友達Aが僕に聞いてきた。「お前、車で福井を通るのって初めてだっけ?」

「うん、電車でならいくらでもあるけど。」

「じゃあ、ちょっと覚悟しとけよ。」助手席に乗っている友達Bが脅すように言ってきた。

「な、何だよ……何かあるのか?」

「なければいいんだけど、な。」Aの顔が一瞬暗くなった。僕は気のせいだと思っていた。



 僕たちはいろいろ話しながらドライブを楽しんでいた。ところが、ある標識を見てAが緊張してきた。「どうか今日は出ませんように……!」

 Bも何故か祈っていた。「お願いします、お願いします……!」



 そして。

 急に外がぱあっと明るくなったと思うと、ギラギラした感じのものが後ろから車に迫ってきた。

「しまった!見つかった!」Aが叫んで、慌ててサングラスをかけた。

「”奴”か!お前もこれをかけろ!」Bに無理やりサングラスをかけられた。

 僕は何の事だか分からず、後ろを振り返った。

 空には太陽が……2つ?



 え?何これ?

「馬鹿!目を合わすんじゃない!そいつは”鯖江太陽”だ!」

 こ、これが……あの……?



 ”鯖江太陽”。

 車で福井県鯖江市に入ると現れる、鯖江市の守護神。

 地元の人や地元に利益をもたらす人を《本当の太陽》と同化してそっと歓迎する一方、地元に利益を還元しないもの・不利益をもたらすものには容赦なく襲い掛かるという。

 何故車だけに襲い掛かるのか?その仕組みは分からない。北陸自動車道はパーキングエリアにほとんど止まらないための怨念と言う説もある。電車だって止まらない特急があるのに、それだって地元に利益還元してないだろう、と突っ込みたくもある。Aが見たある標識とは、鯖江市に入ったというものだったのだ。

 目を付けられることはめったになく、またたとえ見つかったとしても見逃してくれる車もあるという。だからほぼ都市伝説化していた。

 しかし僕たちの車は敵判定されてしまった。いろいろ考えてもしょうがない。

 どうすればいいか?

 早く鯖江市から出るしかない。



 僕たちはスピードを上げて、早く領域から脱出するよう願っていた。

「もっとスピード出ないのかよ!」BがAをせっついた。

「これ以上は無理!ハンドルが持ってかれる!」

「背中が熱い!熱いよう!」僕はたまらず叫んだ。

 どんどん丸く光る塊が車に近づいてくる。

「あと少し!あと少しで!」

「あ、”越前市”の標識だ!」

「早く!早くううううぅぅぅぅ!」

 その塊が車に接触しようとしていたその時。



「た、助かったぁ……。」みんな胸をホッとなでおろした。あれだけスピードを出していたのに事故らなかったのは幸いだった。

 後ろを見ると、太陽は1つだけ。明るさも熱さもさっきまでとは段違いだ。

「な、何だったんだよ、一体。」僕は考え込んだ。

「俺らにも知らねーよ。」

「ただ気を付けろとは教習所で教わるけどな。」Aが言った。

「それって、ここを避けるって発想がないってこと?おかしいじゃないか!」僕は声を荒げた。

「どうしても高速道路を作る時に避けて通れなかったんだと。それに地元には害がないし。現れること自体が奇跡みたいなもんだからな。」

「そんな、滅茶苦茶な……」

「俺達は運がなかった、それだけだ。」Bが諦めムードで言った。

「でもさ、」僕は気が付いた。「帰りもここ通るんだろ?それまで僕らのこと覚えられてたらどうすんだ?」

「また鬼ごっこだろうな……」Aがもうそのことには触れたくない、といった表情で呟いた。

「国道8号線は?」僕は何とか対抗策を探そうとしたが、Bの一言で打ち消された。

「前に見つかった時に試したよ。俺達、その時に目を付けられたのかもしれないな……」



 悪いな、と言った顔のA。その表情は今でも忘れられない。

 遠回り出来なかったのでまた通るしかなかったが、幸いにも、帰りには遭遇しなかった。京都でお参りしまくって【交通安全】のお守りも買いまくった成果だろう。



 ”鯖江太陽”。

 それは今も天空で輝いてるかもしれない。

 本当の太陽に紛れて。

 余り”奴”のことを気にしない方がいい。

 狙われるかもよ?



 この話はフィクションです。

 そうだと言ったらそうなんです……よね?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ