ルカ、悪魔に襲われる
誤字、脱字があったらごめんなさい。うまく書ける自信がありませんが、あたたかく見てやってください。お願いします。
「5ユーロ!?」
驚きで吹き出しかけた水を、ツカサが無理やり飲み込む。
ぬるい水が不快だったのか、端麗な顔を僅かにしかめた。
「お前!またガセネタ掴んだのか!?」
呆れたとばかりにツカサは盛大な溜息をはいた。
「まあまあ」
どうどうと、茶髪の青年、ルカがツカサを静める。その額には冷汗が浮かんでいた。
「いや~バッチリな作戦だったんだけどぉ・・・」
かわいた笑いがルカの唇からもれる。
「ガセネタにバッチリな作戦用意しても仕方ないだろう。5ユーロじゃこれから足りねぇよ・・・。やっとゆっくりできると思ったのに、このぶんじゃまた仕事だな。で、収獲は?」
「本命盗む途中でパクったやつ。かなりとったけど・・・その・・・保存状態がそんなによろしくなかったらしく・・・」
「こんな金額だったわけだ」
「あはは・・・。はい、ごめんなさい」
言いながらも、ルカの額からはだらだらと滝のように汗が流れでる。そして挙動不審だ。
様子がおかしいことに気付いたらしく、ツカサがじっとルカを睨んだ。
(仕事に失敗しただけではなさそうだな・・・。何か隠してる。絶対)
ちなみに、その予想は大当たりである。
「ルカァ・・・俺に何か言わなきゃいけねぇこと、まだあるんじゃねぇかぁ」
本人でも引くくらいのどすのきいた声。ルカは更に忙しなく視線を泳がせた。
「さ、さすが~。ご名答、まだあります・・・」
恐ろしいくらいの眼光を放つツカサからあえて視線を外し、ルカは蚊の鳴くような小さな声で言った。
「ツカサから借りた、もしもの時だけに使えって金・・・」
こくりとツカサが唾を飲み込む。
今、彼の頭には嫌な予感が頭をかけめぐっていることだろう。
「ま、まさか」
ツカサが小さく呟く。
ルカは決心をするように一度大きく息を吸い、満面の笑みを浮かべ言った。
「腹の足しに全部使っちゃった。てへっ☆」
「・・・」
「・・・」
・・・視界いっぱいに恐ろしい顔が広がる。
(あ、悪魔・・・)
今なら百メートルを五秒で走れる気がする。ルカが本気で思った瞬間だった。
が、生憎、狭い部屋の中には逃げ場なんて存在しない。
(ぎゃあー!!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬー!!怖い!めっちゃ怖い!美形にあるまじき顔!!)
「てめぇ・・・」
「は、はい!」
返事が裏返る。
まるで天敵に追い詰められた哀れなウサギだ。・・・。ああ、しっくりくる。
涙目でそんなことを考えていると、地の底から響いてくるような怒号が、一気にツカサの口から流れでた。
「何がてへっ☆だ!!いっぺん死んでこい!!お前のくそでけえ胃袋のせいで食費すら危ういって何度言ったらわかるんだ!!その頭はお飾りか?あ!?あれだけピンチになった時にだけ使えって言っただろうが!!」
「あはは・・・腹減っちゃったのはピンチに入らない?」
苦し紛れの言い訳。言った瞬間ルカは思った。
(入るわけない!絶対)
「入るわけねぇだろうが!」
(あ、やっぱり)
「罰として今日の飯はなしだ」
「あれ・・・意外とかる――」
「明日もなしだ」
「えー!!」
思わず声を上げる。
だって・・・
(それは耐えられない!)
「腹と背中がくっついちゃ――」
抗議をしようと口を開くと、例の悪魔のごとく恐ろしい表情が再来した。
「ひっ・・・」
この顔で軽く人を殺せてしまうのではないだろうか・・・。
「わかったか?」
「はい・・・」
この悪魔!ケチ!鬼畜!ツカサのばーか!!
これでもかと心の中でツカサを呪ったルカであった。
(ツカサのばーか、ばーか)
(聞こえてんだけど・・・)
(っ!!)
どうだったでしょうか?楽しんでいただけたらうれしいです。
さあ!これから頑張っていきますよ!!・・・た、たぶん。(笑)
次回はツカサ視点でいこうかなと思います。