表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デリヘル怪談 ▓▓恵美さんを探しています  作者: 瘴気領域


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/108

第78話 ヒトプラセンタ

 待機所での話。

 こんな商売なものだから、美容関連のアイテムにはこだわる子が多い。

 

「えへへ、買っちゃった~」


 その子が嬉しそうに自慢していたのは、仰々しい毛筆書体で「紫河車」と書かれたチューブ入りの化粧品だった。たぶんフェイスクリームだろう。


「なにそれ? なんて読むの?」と誰かが尋ねると、

「しかしゃ、だって。ヒトプラセンタなんだよー。すごいでしょ?」

「ええー、それって病院じゃないと扱えないって聞いたよ」

「うん、だから個人輸入」

「すごーい!」


 プラセンタとは胎盤のこと。つまり人間の胎盤から作った化粧品ってことだ。

 もう一人の子が言った通り、日本では医療機関でしか扱えないことになっている。材料は産婦人科から調達するそうで、出産時に剥がれ落ちた胎盤を利用している。妊婦に無断で採取されてしまっていることもあるらしい。


 日本では超のつく希少品だが、一部の途上国では大量に作られているという噂もある。一体どうやって原材料を確保しているのかは想像したくもない。


 よくそんなものを使う気になれるなと思うが、彼女たちは気にしないようだ。まあ、私はウマやブタのプラセンタを使った化粧品にも抵抗があるので、気にし過ぎなのかもしれないが。


 それから何日かして、

「もう最悪! 絶対に訴えてやるんだから!」

 彼女が大声で愚痴を言っていた。

「どうしたの?」と尋ねると、

「見てよこれ!」と右の頬を突き出してくる。

 そこには、奇妙な形の吹き出物ができていた。

 親指の先よりも一回り大きく、吹き出物というよりもはや瘤だった。


「絶対あの化粧品のせいだよ。すごく高かったのに。あー、ムカつく! 偽物の粗悪品なんて売りつけやがって!」


 彼女はそう続けたが、私の考えではあれはおそらく本物だと思う。

 なぜならその瘤は、まるで妊娠初期の胎児のような形をしていたから。

 化粧品の使用をやめると、一ヶ月ほどでその瘤は跡形もなく消えていた。


 それから間もなく、彼女はまた別の国のヒトプラセンタを見つけたと喜んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ