表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デリヘル怪談 ▓▓恵美さんを探しています  作者: 瘴気領域


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/108

第66話 忠猫キャラメル

 この業界で働く女の子にはペットを飼っている子が多い。

 精神的にかなりしんどい仕事であるし、まともな恋人も作りづらい。癒やしが必要なのだろう。中でも一番人気は猫だ。犬よりも孤独に強く、室内飼いをしやすいからかもしれない。


 女の子から聞いた話。

 彼女も例によって猫を飼っていた。毛並みは茶トラで、金色の目をしていた。食事には気をつけているのに太り気味で、キャットタワーもてっぺんまで登れない運動音痴。そして「ギャァア」と汚い声で鳴く。なんともダメな猫なのだが、それがかえって可愛かった。毛色にちなんで名前はキャラメルとした。


 あるとき、彼女はどうしても引っ越しをしなければならなくなった。

 懸命に探したが、ペット可の物件がどうしても見つからない。仕方がなく、キャラメルは友人に預けることにしたのだが、居心地が悪かったのか数日で逃げ出してしまい、行方がわからなくなってしまった。


 心配だったが、遠く離れた土地に引っ越してしまったので探しに行くことも難しい。誰か親切な人に拾われて幸せに暮らしていると信じて過ごしていたある日のこと。


 彼女の家に強盗が入った。

 目出し帽をかぶった男が押し入り、彼女にナイフを突きつける。男は住人が若い女と見て、獣欲を発散しようとした。悲鳴を上げることさえ出来ないまま、男に押し倒された時だった。




 ギャァァァァァァァァァアアアアアアアアアアア!! 




 ベランダから凄まじい絶叫が響いた。

 男は慌てふためいて逃げ出していき、彼女は九死に一生を得た。

 ベランダまで這ってカーテンを開けると、そこには懐かしい茶トラの猫がいた。あの絶叫はキャラメルの鳴き声だったのだ。

 窓を開けて泣きながらキャラメルを抱きかかえ、警察に通報した。後日、犯人は無事逮捕されたという。


 それから彼女は大家さんに事情を話し、キャラメルを飼うことを特別に許可してもらえた。主人の窮地を救った忠猫としてローカルニュースに取り上げられたのが後押しとなったようだ。


 しかし、説明するときに毎回困ったことがあったという。

 彼女の部屋はマンションの七階で、とても猫が登ってこられる高さではなかったのだそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ