永遠(とわ)の愛を、虹に込めて
さっきまで土砂降りだった雨が上がり、嘘のように晴れた夕方6時半。
いつも通り俺は定時に仕事を終えた。
会社の駐車場へ向かい車に乗り込むと、帰り道にあるいつものコンビニへ寄る。
到着してふと空を見上げると、どんよりとした灰色の空とは対照的にくっきりと綺麗なアーチを描く虹が出ていた。
「おぉ。よく見ると、2重だなぁ」
ひとりごとを呟いて、シャツの胸ポケットからスマホを取りだし写真に収めると、そのままLINEに送信した。
ふっと笑いながら俺はまた空を見上げる。
そして心の中で『送ったよ』と送り先のその人に声をかけて、左手の薬指に光る指輪をやさしく撫でた。
永遠に既読には、ならないけど。
君が好きだったものが、俺を支えてくれる。
雨上がりの虹。水面のきらめき。ウグイスの鳴き声。
あと、コンビニに寄るたびに食べたがった、ホットスナック。
君がこの写真を見たら、花が咲いたように、とても喜ぶんだろうな。
一緒に見ることはもう叶わないけれど。
これからも、素敵な景色を君に送り続けるよ。
永遠の愛を、虹に込めて。