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大司教視点 厄災女を破門して泣いて許しを乞うてくるのを待つことにしました。

俺の名前はエインズワース、この聖教会のトップの大司教だ。

ずっと、この地位につくのが夢だった。


昔は我が聖教会の守り神の女神様をただ信じていた。


敬虔な祈りと職務さえ全うにしていれば順調に位を上がっていくと思っていた。

しかし、それは間違いだった。

俺よりも信心もなく、職務熱心でもない、金の亡者でなぜこんな奴が教会にいると思えるような同期のベックマンが、出世していったのだ。


俺は同期のフィンズベリーと一緒になって何が足りないのか考えた。

敬虔な信者のフィンズベリーはまだまだ、女神様に対する信心が足りないのだと言って、辺境の地に自ら志願して修行しに行った。


俺はそこまでする勇気がなくて、そのまま公国の大聖堂に残った。

俺は自分なりに懸命に10年間勤めたが、泣かず飛ばずだった。

後から入ってきた後輩達が次々に俺を抜いていったのだ。俺は何故か理解できなかった。


その俺に当時の俺の上司の司教がポロリと言ってきたのだ。


「エインズワース。君は何故、他の司祭と同じように袖の下を持ってこないのだ?」と。

俺は初めて金が全ての地位を決めるのを知ったのだ。


俺はそれから必死に金を集めた。

献金を猫ばばし、予算をケチって誤魔化して、それを全て上司の司教に渡すようにしたのだ。

効果はてきめんだった。

俺はあっという間に司教代理に出世したのだ。


それからだった。俺自身も袖の下を要求し、そして、集めた袖の下を上のものへの袖の下に使ったのだ。

時には見目麗しい修道女を騙して、あるいは言いくるめて上に捧げたこともあった。

金と女を上司にあてがい続けたのだ。

俺はその方面の才があったようだ。


俺はいつの間にか、ベックマンの上に立っていた。


そして、ついに聖教会の最高位の大司教になったのだ。


大司教になるまでに20年もかからなかった。



それに比べて同期のフインズベリーは全然出世しなかった。

奴は袖の下など全く使わずに、辺境の地で修行が終わってからもずっと小さな教会の司祭のままだったのだ。


俺は仕事の忙しさにかまけてそんな愚かな同期のことなど忘れていた。


俺が知ったのは、生真面目な新しい剣聖からだった。


前の剣聖は袖の下も女も通用したのだが、今回の剣聖は本当に堅物だと聞いてはいた。

そんな奴がなぜ公国の剣聖になれたかと言うと、他のものと比べてあまりにも実力が違いすぎたのだ。

前剣聖が痴情のもつれから女に刺されていきなり死んだというものもあった。剣聖なのに、女に殺されるなんて馬鹿かと思ったが、寝ているところを刺されたらしい。性格は最悪で剣の腕だけはあったと思っていたのだが、間違っていたらしい。しかし、そのような事を公になど、出来るわけはない。剣聖は心臓の発作で死んだという事にして、可及的速やかに剣聖を決める必要があったのだ。

それには実力も申し分ないセドリックにするしかなかったのだ。


俺はそんな真面目な奴が剣聖などになれるのだろうか?

一抹の不安があったが、時間がなくてそのまま任命してしまった。


それが間違いだった。セドリックはコソコソ隠れて俺達の間に横領、収賄が蔓延っているのを嗅ぎつけたのだ。

相手は俺の同期のベックマンだった。


それも告発者が同期のフィンズベリーだったのだ。


俺はその動かぬ証拠をセドリックが持ってきた時に驚き慌てた。

ベックマンは俺から見ても金が絡むと性格が変わった。純真なフィンズベリーでも、判るほどに何かどぎつい事をしたのだろう。


しかし、奴の言う通り捕縛させるわけにはいかなかった。奴からは俺も袖の下を受け取っている。

粋がる剣聖をなんとか誤魔化すと、そのすぐ後に剣聖に罪をなすりつけて自由都市エムネスに飛ばすことに成功したのだ。

俺はホッとした。


そして、則座に極秘裏に破落戸を使ってフインズベリーを始末することにも成功したのだ。

フインズベリーは最後に「女神様の天罰がこんな事をした者達に下るだろう」

と叫んでいたという話だったが、そんな前唾な話はどうでも良かった。


後は、正義感だけが強い剣聖がフィンズベリーを殺したことにして自由都市に聖騎士を派遣したのだ。

まさか、そこにあの厄災女たちが現れるとは思っていなかった。


厄災女と傭兵バスターズは俺達以上に欲深なのだ。

昔、魔物退治を依頼したら、足元を見透かされて財産の5割を求められたのだ。

適当に誤魔化せばいいだろうと中庭を掘って埋めた財宝まで見つけられて、きっちりと半分払わされた時は本当に切れそうになった。


しかし、今回は罪人の剣聖を庇ったという事で、破門してやったのだ。


愚かな奴らだ。いくらバスターズが強い傭兵隊でも、破門されれば働き口が無くなるはずだ。

我ら聖教会に楯突いた奴らを雇うような愚かな奴らはいないだろう。何しろ大半の君主や国王は我が聖教会の信者なのだ。破門した奴を使えば破門すると脅せばだれも使わなくなるはずだ。


これで剣聖を助けた愚かな傭兵団に報いを受けさせてやる。


昔、俺の財産を掠め取った愚かな奴らも身の程を思い知るはずだ。

いかに、聖教会が強いかを。そして、聖教会に楯突けばどうなるか思い知るだろう。


にっちもさっちも行かなくなって俺に縋りついて来た時に、元剣聖を引き渡せと脅せばすぐに引き渡すだろうと俺は思った。


そうだ。何なら、あの厄災女とかいうやつを泣いて許しを請うてきた時にひっ捕らえても良いかもしれない。

調教すれば結構いい声で鳴くだろう。


あの女の性格は最悪だが、容姿とスタイルは抜群に良いのだ。


性奴隷として地下室に飼って、他国の王族たちと一緒に堪能しても良いかもしれない。

帝国の皇帝や、ブランカの国王なども好きそうだ。


俺は捕まえて泣きわめく厄災女を思い描いてほくそ笑んだのだ。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

傭兵バスターズの運命やいかに?

続きは明日です。

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