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剣聖視点 変態国王が厄災女の胸をもんだ瞬間、雷撃の閃光が会場に炸裂しました

厄災女は本当にムカつく。


こんなムカつくやつはいない。


古代竜退治で自分が黒焦げになったって言っても、元々油断していた厄災女が悪いんだろうが!


それを渾身の爆裂魔術を俺目掛けて放ちやがって、俺の手に聖剣がなければいくら俺でも死んでいた。


「ふんっ、聖剣持っているんだから問題ないでしょ」

なんと厄災女は俺に向かって言い切りやがったんだが、どういう性格してんだよ。


それに古代竜も古代竜だ。


こいつ、自分で厄災女を攻撃したくせに、厄災女がいきり立つと、その怒りの必殺技の盾に俺を使いやがったのだ。

許せなかった!

お前のせいでなんで俺がお前の盾にならないといけないのだ!

それなら、お前が俺の盾になれ!

俺は叫びたかった。


しかもだ!

その上、古代竜は爆発のドサクサに紛れて幼体化してトカゲになりやがったのだ。

そして、厄災女に尻尾を振りやがった。

何が「ピッ」だよ。

すべての元凶はお前が襲ってきたからだろうが!


それを「ピッ」だと! 誤魔化すな!


また、それを見て、ごまかされる周りの奴も奴だ。

エイミーなんて「可愛い」って言っていやがるんだが、

そいつは凶暴な古代竜だっちゅうの!


キャロラインまでが、

「まあ、良いじゃない。私のペットになったんだから。ね、竜ちゃん」

「ピッ」

頷く古代竜には竜としてのプライドがないのか?


更にだ! 王都を荒野に変えたのは厄災女のはずなのに、何故俺が城壁を直さないと行けないのだ!


やるなら厄災女だろう。


それと古代竜だ。


王都がこうなったのも元々この古代竜が暴れたからだろうが!


「だって子どもの竜ちゃんにやれってそれ無理じゃない。大人のあんたがやってあげるしかないでしょ」

厄災女の声に俺は切れそうになった。絶対に古代竜のほうが年上だっちゅうの!


「ピー」

古代竜も頷きやがったのだ。


切れた俺は思いっきり古代竜を蹴り上げた。

「ギャーーーー」

でも、叫んだのは俺だった。


こいつむちゃくちゃ硬い。

俺は足を持って痛さに転がりまわった。


「本当に馬鹿ね。竜ちゃんに酷いことをしようとするからよ」

厄災女にバカにされ、

「ピー」

古代竜にバカにされ、俺は踏んだり蹴ったりだった。




その夜は祝勝会だった。


本当にここの国王は鳥頭だ。


祝勝会なんて今はどうでも良いだろう。


それよりも壊された城壁の修理だろうが!


俺には国王が祝勝会をやりたがる理由が判らなかった。


「まあ、国王陛下には碌でもない企みがあるんだろうよ」

そう言うトムの目は怒りに震えていた。


「セドリック様。何かあったらお嬢様をよろしくお願いします」

ダニーまで言ってくるんだけど意味がわからん。


たとえ国王が変なことを考えていたところで、今や古代竜まで傘下に収めた厄災女が負けるわけはないのだ。

何を心配することがあるんだろう?

俺にはよく判らなかった。


「そうなったらな」

俺は適当に頷いておいた。




そして、夜になった。


俺達は珍しくおめかしして王宮跡に行ったのだ。


まあ、俺は聖騎士の格好をしただけだが。


厄災女はやめればいいのに真っ赤な派手な、一見して悪役令嬢の装いをしていた。


俺達はシュバイツ王国の奴らに大歓迎された。


俺はとても胡散臭く思った。


普通王都を破壊した奴らをここまで歓待するか。


一人エイブだけが、なんか首を振っていた。


「まあ、キャロライン殿。ぜひとも我が国の酒を飲んでいただきたい」

国王がキャロラインのグラスに並々と酒を注いだ。

なんか紫色の毒々しい酒だった。

「判りました」

いかにもなんか盛っているという酒だったが、厄災女は躊躇せずに飲み干したのだ。

エイブが止めようとする間もなく、厄災女が飲んだので、蒼白な顔をしていた。


「では、陛下。陛下もお飲みください」

厄災女は酔ったようだ。


なんと、そのまま、国王陛下と肩を組んで、引き寄せたのだ。


「な、何をするのだ」

国王は慌てたようだ。

「な、陛下は私の酒が飲めないというのですか」

その国王に厄災女が絡んだ。


「いや、そろそろ、薬が聞いてきただろう」

国王は顔を歪めていったが、

「えっ」

キャロラインは驚いた顔をすると、口を押さえたのだ。


「ふんっ、やっと効いて来きたか。もう遅いわ。貴様は俺の性交奴隷になるのだからな」

国王は豪快に笑い出したのだ。


こいつ、馬鹿か? そんなんでは効かないから厄災女なんだろうが!


俺は相当言いたかった。


それに俺はまだ完全にシラフなんだが……


「やめろ、貴様。キャロライン様に何をした」

何故か人形使いが慌てて叫んでいた。

「ええい、動くな」

国王はキャロラインを後ろから羽交い締めにしてナイフを首筋に突きつけたのだ。


「貴様らの主が死んでも良いのか」

国王は叫んでくれた。


周りにわらわらと騎士たちが湧いてくる。

「エイブやめろ」

魔術師団長がなにか言っているが、エイブは止めなかった。


「人形使い。お主、我が国を裏切るのか」

「ふんっ、貴様の変態さにはつくづく嫌気が差したのだ」

「まあ良い。その人形使いも捕まえろ」

国王は命じていた。


兵士たちがこちらにも向かってくる。

うつむいている厄災女の意図が判らずに俺はどうして良いのか困ったが、杞憂だった。


「ふん、何じゃ。こいつは胸がないではないか」

次の瞬間、国王はキャロラインの貧相な胸をもんでいたのだ。


ば、バカ国王、何をするのだ!


俺はその瞬間地面に伏せた。


「どこ触っていやがる。このゲス野郎」

ズシン!

次の瞬間怒りの厄災女の肘鉄が国王のみぞおちに落ちた。


「変態! 死ねーーーー」

次の瞬間、キャロラインから渾身の雷撃が炸裂したのだ。


ピカ

ズドーーーーーン


凄まじい閃光が走って、伏せた俺も弾き飛ばされて、地面を転がったのだった。



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