表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/52

公国の大聖堂攻撃作戦 準備開始

トムからの報告を受けて俺達は直ちに艦橋に集まった。


「トム、判っている事を報告して」

厄災女がトムに指示した。


「了解、お嬢。

現在ボンズから仕入れた情報では、聖教会はフィンズベリーの遺族を悪魔崇拝の背教罪で拘束。魔女裁判を5日後に開き、即日刑を執行する予定だそうだ」

「あやつら、何ふり構わないことを始めてくれましたな」

「無実の罪でフインズベリーを殺しやがったくせに、更に残された家族まで魔女裁判にかけて処刑するなんて、彼奴等は悪魔なのか?」

トムの言葉にダニーとリックが憤慨した。

元々、俺があの大司教に報告したのがいけなかったのだ。そのせいで、フィンズベリー司祭が殺されて、今また家族が殺されようとしているなんて、俺のせいでこれ以上の犠牲を出させるわけにはいかない。


「俺は今すぐにフィンズベリーの家族を救いに突入したい」

俺はたち上がって希望した。

「待ちなさい。セド! やる限り確実にエインズワースに鉄槌を下さいなと司祭の魂も浮かばれないわよ」

厄災女が邪魔してきた。

「俺一人でもやれる」

そう言うと俺は駈け出そうとした。

「家族を助けるのが先でしょ。家族を守りながら、大司教と戦うのは一人では難しいわ」

厄災女に言われて俺は立ち止まった。


「じゃあ、いつ行くんだ?」

俺は厄災女を睨みつけた。

「そんなの魔女裁判の日に決まっているでしょ」

厄災女は悪い笑みを浮かべてくれた。

「しかし、それまで家族を放っておくのか? あいつなら何をするかわからないぞ」

「魔女裁判をするなら、それまでは手を出さないはずよ。そうでしょ」

「それはたしかにそうだが、それまで家族を不安な目に遭わせるのか?」

「大事の前の小事よ。殺されたフィンズベリーの無念を晴らしてあげるのよ。やる限りは、あの変態大司教の悪行を全世界に知らしめて、天誅を下してやるわ!」

厄災女が机をたたいてくれた。


「しかし、魔女裁判の日は警備も厳重だろう。やれるのか?」

「あなた何言っているのよ。私達は世界最強の『傭兵バスターズ』なのよ。聖騎士の2個騎士団や3個騎士団なんてなんてことはないわ。いざとなれば公国ごと、私が燃やしてあげる」

不敵な笑みを浮かべて厄災女が宣言してくれたんだけど。そんな事が出来るのか?

まあこの厄災女の噂で聞く限りやれそうだが、噂は往々にして大げさだ。

まあ、しかし、この前は聖教会の兵士たちを前にして、火炎魔術で燃やしてくれたが……


「判った。お前にかけてみる」

俺は決断した。元々手伝ってくれと頼んだのは俺だ。厄災女の自信満々の姿に任せてみようと思ったのだ。


「トム、今わかっていることをまとめて話して」

「大司教を名乗る殺人犯エインズワースは教会の秘密組織を使って、フィンズベリー司祭を殺害。それを当時剣聖だったセドが殺した事にして指名手配してくれた。」

「そこの馬鹿が嵌められた件ね」

頷かなくてよいのに厄災女が頷いてくれた。こういう所は嫌いだ。


「そこから我々がセドを救出して離脱、聖教会は我々全員を殺人鬼セドの仲間だとして破門。全教会に指名手配。

我々が泣き込んでくると思っていたふしがあるが、我々が無視したから、次の手としてフィンズベリーの遺族を連行したと思われる。

奴は遺族が悪魔崇拝をしていたと5日後に魔女裁判にかけると大々的に宣言した。

目的は我々をおびき寄せることにあると思う」

トムはこれまでのことをまとめてくれた。


「戦力を揃えて待ち構えているところに乗り込むのか」

俺が聞くと

「まあ、いつものことだ」

肩をすくめてトムが言ってくれた。


「敵の戦力は?」

「攻撃用の飛行船を4隻集めている。通常は聖騎士団は1個騎士団しかないが、今回は周りの騎士団も併合、2個騎士団の要員がいる。魔術師も傭兵ギルドからも魔術師を数名借りているようだ」

「それだけしか集めていないなんて私達も舐められたものね」

厄災女が笑って言ってくれるが、俺としては十二分な戦力だと思う。


「大司教はセド、あなたに任すわ。存分にやってくれて良いわ」

「判った」

俺は元剣聖だ。悪徳司教は女神様に成り代わって天誅を加える必要がある。それを聖騎士が邪魔するなら奴らも含めてやる。元仲間だった奴らだが、悪者に加担するなら手加減は不要だ。


「遺族を救うのはトムとダニーに頼むわ。飛行船4隻はリック、頼むわよ」

3人は頷いた。


「リック以外の全員が、変装して、まず潜入する。次に私がタイミングを見て騒ぎを起こすわ。それが攻撃開始の合図よ。同時に各自行動開始。リックは付近に潜ませていた飛行船を近づけて4隻とも沈めて」

全員がそれぞれ頷いた。


そして、それから各々の細かい打ち合わせをする。


「皆それでいい?」

最後に厄災女が確認した。

「「「ああ」」」

それに全員頷いた。


俺は果たしてそんなにうまくいくのかと一抹の不安があったが、ここは任せた限りやるしかないだろう。俺は少なくとも大司教だけはやっつけると決めたのだ。


「じゃあ直ちに準備に取り掛かって」

「「「了解」」」

俺達は一斉に動き出したのだ。


ここまで読んで頂いて有難うございます

続きは今夜。

ついに聖教会の総本山に乗り込みます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

私の二番人気の作品はこちら

『【電子書籍化決定】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


8/26コミックシーモア様で先行配信決定です。
表紙画像

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ