表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小心クレイジー親父の物語  作者: どっとエム
1/1

ある家庭

その鄙びた地において、その家庭の父親は絶対神である。


神にもいろいろある。

善なる神であれば、その家庭の子供達は幸福に満ち溢れていたかもしれない。

だが、その家庭にいたのは荒れ狂う荒神だったのだ。


その家庭には、母親と三人の子供達と継子の娘がいる。

先に育った郭公の娘にとって、その家庭の父親の暴力は愛の鞭だと言う。


そして、本当に鞭打つのだ。

痛みで泣いても、泣き顔が気に入らないと鞭打つ。

基本スタイルは、泣く子は鞭打つ。

物を使って人を折檻するのは、一番楽だ。

鞭打つものは、露天で買った2000ギルのベルトだ。


その家庭の父親は、酒に酔うと特に暴力が激しくなる。

何か気に食わないことがあると、その場にいる全員に向かって暴言を吐き、物を壊し、暴力を振るう。

子供達が泣き叫んでも、その怒りは収まることがなかった。


その家庭の子供達は、常に父親の怒りに晒されていた。

怒りの矛先が自分達に向けられるのか、それとも母親や隣人に向けられるのか、予測不可能だった。

だから子供達は、いつでも警戒心を持ち、怖い思いをしていた。


絶対神である父親から逃げる方法はなかった。

学校に行けば、父親が迎えに来て帰りに暴力を振るわれる。

友達の家に泊まりに行っても、父親に見つかって帰りに暴力を振るわれる。

逃げ場のないその家庭で、子供達はただ耐えるしかなかった。


しかし、その家庭にいた子供達は、誰かに助けを求める方法を知らなかった。

親や地域社会が子供達を守るべき存在であるはずなのに、その家庭ではそういうことが起こらなかった。

子供達は、自分達が受けている暴力が普通であると思い込み、その苦しみを誰にも話すことができなかった。


こうして、その家庭の子供達は、暴力に耐え続けた。

一方で、父親は自分が絶対神であるという錯覚に陥っていた。

彼は自分の行いが正当であると信じ、周囲の人々が自分に服従することを期待していた。


なぜならば、その父親には野望があったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ