File.29 パクリのダンス
お久しぶりぶりの投稿
約一ヶ月落ち続けてた歩くん達の戦いをお楽しみください
「ふわぁ…… 」
落ちる瓦礫の中で空無 歩は、大きな欠伸をした。
「ねむ 」
「っ!? 」
瓦礫を蹴り接近してくる歩。
車椅子のオマケな私の足。
しかも空中。
避けられはしない。
(まぁ )
けれど瓦礫の合間から放たれた弾丸が歩の右足を弾いた。
(仲間が居なければね )
「つまんねぇモンだけどよぉ!! 」
足。
いま引きちぎれたそれを歩は掴み、こちらに投げてきた。
三つの手榴弾をオマケに。
「良ければ喰らってくださいな 」
「影!! 」
五感を呑む爆音。
けれど辺りを包んだ影が私を守ってくれた。
「大丈夫ですか!? 」
「平気。でも見失ったね 」
車椅子を抱えてくれた影人に礼を言い、状況を確認する。
辺りは瓦礫まみれの山。
歩の姿は見えない。
「アイツ……ほっといても死にますよ 」
「手足も無いし、大量失血だからねぇ。だからこそ」
瓦礫から飛んできた刀。
それは私たちの目の前に突き刺さった。
「アレは殺しにくるよ 」
「よく分かってんじゃねぇか!! 」
後ろの瓦礫から声。
反射的に振り返るが、
「バカ乙!! 」
それは囮。
歩は刀の方から突っ込んできた。
刺さった刀を自分の足に突き刺し、放たれた蹴りと共に剣先が迫る。
「バカはキミだよ 」
だが影人の方が速く、放たれた拳は歩の腹を深々と抉った。
「っ゛!! 」
「キミを殺すために色々と対策したんだよ。例えば……身体能力による純粋な肉弾戦 」
転がりながら蹴りを放つ歩。
その足は影に踏み折られ、もう一度振られた蹴りは足首ごとナイフによって切り落とされた。
「いてぇな 」
宙にある足。
それを蹴り、影人に足をぶつけながら距離を取った。
「キミは異常なタフさを持ってるけど、身体能力は人間の域を出ない。だから」
辺りに影が落ちる。
空には今転移させた数千の瓦礫が、重力に従って加速する。
「質量攻撃に極端に弱い 」
「その変な間なに!!? 一度に話せよ!! 」
地面を打ち砕く瓦礫は簡単に避けられる。
だが死角から飛んできた影の蹴りは躱される事無く、歩の首を蹴り抜いた。
「折れたじゃねぇかよ!!! 」
確かに聞こえた骨が砕ける音。
けれど歩の手は影の足を掴んでいた。
が、
「あっ? 」
その腕は光速の槍によって貫かれた。
「怪異を消せてもダメージは負う。だから飛び道具も有効 」
「じゃあヘッショしろよ!! 」
両腕のない状態で歩は影人の首に噛み付いた。
けれど私の怪異で影人だけを瞬間移動させる。
「ライフグリップとかずっる 」
「言っただろう、私はキミを殺しに来た。対策するに決まっている 」
指先を上げ、上空に影を展開させる。
そこから覗くすべての銃口は輝き、金色の火と鉛を歩に浴びせ続ける。
「っ゛っ゛!!! 」
「あとこれはオマケね 」
空中に開いた影から落ちる液体。
アレは硫酸だ。
「あっつ!! 」
それを被った歩の頭皮は当然とけ、腕や顔の輪郭も次第に歪んでいく。
「距離を取り、血を流させ、致命傷を負わせ続ける。怪異を相手にすればキミは無敵だろうけど、私に対策の時間を与えた時点で詰んでたんだよ 」
鉛と血しぶきが散らばる中で見えた。
歩の、ニタリと気色の悪い笑顔が。
「忘れたかぁ!!? この2日間ずっと……準備してたってなぁ!!! 」
銃声の中、パンっとどこかで何かが弾けた。
そして上から黒い粉が降ってきた。
「つーか自分の弱点は分かってるっつーの!! 」
(鉛筆の粉? そんな訳無い黒い粉今の状況危険なもの )
脳裏で思考がごった返す。
そして一つの結論にたどり着いた。
(火薬? )
「発砲やめ」
「遅せぇヨォ!!! 」
銃口の火花から引火し、空を爆音が包んだ。
皮膚が少し焼けた。
でも音と光で耳と目をやられた。
「人体発射ァ!! 」
再び爆音がしたかと思えば、吹き飛んできた瓦礫の中に歩は居た。
その目には私が写っている。
(瓦礫ごと自分を飛ばして)
「やらせっかよ 」
影人が間に入る。
が、放たれた拳は躱すと同時に噛み付かれた。
「アイムジャックハンマー 」
「っ゛!! 」
パシャリと骨がきしむ音。
転移させたいが辺りの瓦礫のせいで、下手に移動させられない。
だから、
「銃 」
歩の背後に影を開き、ライフルを放
「秘技!! 」
つ直前、歩は魚のように体を回転させる。
噛んでいた腕は噛みちぎられ、頭部に放たれた弾丸は滑り、影人の右肩をえぐり抜いた。
「弾丸すべりぃ 」
(転移を!! )
瓦礫が落ちた瞬間に影人を転移。
させる寸前に、歩は影人に抱きついた。
「サイバイマンなう!! 」
私の転移は事前に指定した者と身に付けているものを移動させる。
だから私の後ろには、
「ばァ!! 」
口をガパリと開けた歩が居た。
でも事前に用意していた銃を、脇の下から背後に向ける。
「読んでたよ!! 」
「読みがあめぇよ 」
銃口を咥えられ、舌で銃身をズラされた。
放った弾丸は歩の頬を消し飛ばす。
だが致命傷には足りえない。
「爆裂ぅ 」
ピッと電子音。
それは歩の肘から聞こえた。
「パンチ!! 」
爆風と共に飛んできた腕の骨が、左目にズブリと入り込む。
「あっ? 」
「怯むと思った? 」
ある物を私たちの間に転移させる。
私の怪異は事前に準備したものを転移させる。
例えば、単純で古びた大砲とか。
「やっべ 」
火花と共に放たれた砲弾。
それは歩の左腕と脇腹をえぐり、ちぎれ掛けた腹を拗らせながら吹き飛んだ。
その体はゴチャリと壁にぶつかり、動かなくなった。
「いっつ 」
「大丈夫ですか!? 」
潰れた左目を抑えてると、影人がこっちに走ってきた。
「平気だよ。こんなヤツの左目と最大の障害を取り除けたんだ。安いものだよ 」
「……そうですか 」
「あぁそれと、アイツの心臓と首を潰しておいてくれないかい。急に蘇ってもおかしくは無い 」
「同感っす 」
転移で持ってきたライフルを支え、片腕のない影人に引き金を引いてもらう。
弾丸は真っ直ぐ放たれ、吸い込まれるように手のひらに収まった。
「……はっ? 」
誰かが立っている。
ヤツを守るように。
黒いヘルメットを被った女が。
「まったく……キミは大人に頼ることを覚えるべきだよ 」
「死ねよクソババァ 」
「はぁ…… 」
(何サラッと生きてるのかなぁあいつは!? )
歩から中指を立てられる女は、片手でヘルメットを脱ぎ捨てた。
さっさと切ってしまいたいような長い青髪、そして小学生を思わせる幼い顔。
頭の中で結び付いたのは、意外な人物だった。
「前田……学長? 」
「さぁて子供たち、キミたちが嫌いな教育の時間だよ 」
にっこりと笑うそれは、私たち子供が嫌いな……大人の笑顔だった。
コイツらいつまで戦ってんだろ……
というかライフルって弾丸滑りしたっけ?
あとすみません、ガチ病みふぁっきゅーしてて投稿が遅れてました
現在進行形病み病みフォンテーヌ楽しいなので、まだ投稿遅れそうです
ちなみに歩くんですが、心臓と首チョンパミンチミンチされても死にません
内蔵空っぽでも生きれます
臓器売り放題ですね( *´꒳`*)




