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怪異子葬  作者: エマ
30/44

File.28 ワンパターン戦法

突然、敵の車椅子女の子目線です

 あと会話長めなので、おもんなかったら市民プールでクロールして来ます

 それとあとがきで分かりやすく説明すんので、会話見るのダリィって方はあとがきだけ読んでね!!


 

 



「アレは……なに? 」


 ライフルのスコープでかろうじて見える学園。

 そこで暴れる、人を模した爪の集合体。


 心臓には穴が空き、左半身はもう怪異に蝕まれている。

 なのに、どうして……


「死んでないの? ってか? 」


「っ!? 」


 ゴリュリとこめかみ、冷たいものが押し付けられる。

 瞬時に転移を発動。

 ビルの屋上の端へワープする。


 ……危なかった。

 押し付けられたのは銃口だったから。


「……ほんと便利だな、そのテレポート。俺にもくれよ 」


「空無……歩 」


 焦点があってない目でヘラヘラ笑う歩。

 彼が裏切るのは分かってたけど、こんなに速いのは意外だ。


「どうしてここが? 」


「何人か連絡取れないヤツ居たろ? そいつらの髪と背中燃やして吐かせた 」


「それで? パンドラを一緒に壊す……その約束はもう良いのかな? 」


「哀花たちを巻き込むなって条件だったろ? だから俺、学長殺し引き受けたよな? 」


「哀花ちゃんは巻き込んでないよ。それに、たちなんて抽象的なことを言われても分からないさ 」


「あーハイハイ言い訳ね、クソ女 」


(さぁ、どう時間稼ぎしようかな )


 車椅子のブレーキを外し、夏の日差しに炙られる頭を回す。

 ライフルは向こう側。

 空間移動しても撃つのは間に合わないかな?


「そんで、頼みがある 」


「……はっ? 」


 思考を巡らせていたのに、歩は急に頭を地面に叩きつけた。

 土下座するように。


「取引だ。俺を自由にして良い、だから哀花 真城 彩音 咲のこれからの安全を保証してくれ 」


 突然すぎる提案。

 頭が止まる。

 いや待て待て待て、


「おかしな提案だね。それは取引になっているのかな? 」


「よく考えてみろよ。パンドラ襲撃を受けて、この国は大きく動く。そうしたらあんたら派閥の動きも、ちょいとキツくなるんじゃねぇか? 」


「っ 」


「おいおいおい! 置いてきぼりにされた視聴者みたいな顔だぜお前!!! 」


 うるさい。

 というかなんでそれをお前は知ってる……


「んじゃま、勝手に説明させてもらおうか! 寝不足だしな!! 」


 銃のトリガーに指を掛けたまま、それを振り回しながら、歩はベラベラ喋っていく。


「まずこの前殺したヤツらさ、楽園へ楽園へってバカみたいに言ってたのに、最近殺したオカマは楽園へって言わなかったんだよ。言う暇あったハズなんだけどなぁ! 誘拐に大規模進行にうちのヒーラー誘拐!! お前ら行動方針バラバラなんだよなぁ!! 」


 その場でクルクル回り、歩はガンっと鉄柵に頭突きした。

 でも目はこっちを向いてる。


「んでこっから妄想! 壁の外にはいろーんな派閥があるって課程した。だから色々拷問したり、取引さよならドンッして情報集めたんだよ。そしたらビッくらポン……五つの派閥が浮かんできました〜 」


 何かの薬をポリポリ食べている歩。

 その目はイカれ、ガリガリ頬をかく姿は狂人そのものだ。

 けれどその口だけは、真実を言ってる。


「1.楽園へ行きたいヤツら。

 2.楽園を大切な人たちに提供したいヤツら。

 3.今の壁の中を乗っ取って、俺たちも安全な場所で生きたいぜ〜ってヤツら。

 4.人間なんてクソ。み〜んな殺してやるってヤツら。

 5.国に先手を打ちたいヤツら。あぁ、お前らがそれだな。今の国の上はたぶん、壁の向こうのヤツらを利用しようとしてるからな 」


(こいつ……ここまで )


「そして6.怪異を海外に売りたいヤツら 」


「……えっ? 」


 頭が空っぽになった。

 だってそんなの初めて聞い……いや!

 ぜんぶ辻褄が合う。

 あの海岸での戦いも! 全部!!


「初耳かァ? まぁ情勢知らねぇと分かんねぇよな。今……泡魅一族は海外に怪異耐性の電子機器を輸出してる。怪異被害の少ない海外にか? そこまで知ってりゃ、証拠なくても妄想できる。怪異を兵器運用するってな。そしたら怪異耐性持ちの電子機器で金持ちは無事〜……っていう課金者無双がハイ実現〜、てな 」





「でもな。こいつらの勢力は全員怪異に頼ってる。だってそうだろ? 怪異を兵器として扱える。それを彩音や哀花たちは体現してんだもん。そして怪異を兵器として扱う戦争が起こった時、俺の存在が輝く……怪異を消せる唯一の男だぜ? 利用しない手はないだろ? 」


「……完璧な自分売り(レコメンド)だね 」


 長ったらしい話だったけど、コイツの言ってる事には筋が通ってる。

 確かに怪異を消せる能力があれば動きやすいなんて話じゃない。

 でも、でも。


「フフっ 」


「あっ? なんだよそのニヤケ面。美人だな 」


「いやぁね、筋は通ってる。通ってるんだよ……一つの間違いさえなければね 」


「……あっ? 」


「私たちの派閥は敵対していないよ。みんな、あの馬鹿ボスに管理されてる 」


 昔本で読んだ、ハトが豆鉄砲を喰らったような顔。

 それは彼のような顔を示しているんだろう。


「あ〜〜〜、じゃあアレか。お前らは敵対してないから、その気になればみんなで驚異に立ち向かいましょうができる感じ? 」


「そうだね 」


「つまり俺の気色悪い自分語りは無意味ってこと? 」


「もちろん 」


「そっかぁ……じゃあ死ね 」


 銃を構えるために振り上げられた腕。

 それは宙を舞い、ビルの屋上から落ちていった。


「……っ 」


「実は私、キミを一番警戒してたんだよ。何をするか分からない、何を知っているか分からないキミを。恐怖の根源は不理解だ。だからお前を殺すため……準備した 」


 カチリと動く腕時計の針。

 それと共に、五つの影がビルの上に浮かんだ。

 その内の四つからは、銃口が顔を出した。


「うへぇ、現代兵器かよ 」


 影から飛び出した一人の落下。

 その同時に、四つの銃撃が歩を襲う。


「空からの! 射撃とか!! 殺意高過ぎだろ!!! 遮蔽ねぇじゃんナーフしろ!!! 」


 ドチュリドチュリと、歩の体から音が鳴る。

 そして銃弾の合間を縫うような影の蹴りが、歩の脇腹をえぐった。

 

「うぼっ!!? 」


 メキャバキ。

 アバラが折れ、それが臓物に刺さる音がひびく。

 そして吹き飛ばされた歩は、ビルの鉄柵に飛び込んだ。


「あ〜……身体能力強化系ね。キッついわ〜、俺怪異に触れねぇといけねぇもんな 」


 ドチュリドチュリ。

 更なる弾丸が歩をえぐる。


 なのに、なのに!!


(なんで死なない!! )


 頭はえぐれてる。

 内蔵にもダメージは入ってる。

 致命傷。

 いやどう見たって出血多量だ。

 なのに死んでない?


(アイツ……ほんとに人間な)


「さぁって!! 」


「「「「「「っ!!? 」」」」」」


 歩は手を上げる。

 放たれた銃弾がそれをすぐに撃ち抜く。

 けれどその壊れた顔面には笑顔が張り付いていた。


「俺は二日感、何を準備していたでしょう!? A.(アンサー)!!! 」


 動かない足に駆け上がる。

 嫌な予感。

 その止まったみたいな一瞬の中、眼球にこびり付いたのは、


「バクダンだ 」


 舌で糸を引く、(アイツ)の笑顔だった。

 瞬間、いっせいに、


『ピーーー!!! 』


 音。

 爆音、浮遊感。

 ビルが……壊れた。


「さぁぁて、長々しい話しはハイッ終わり!!! こっからは 」


 私に、清々しいほど明るい殺意(えがお)が向けられる。


「楽しい殺しのお時間だ!!! 」


 


簡単だぞ! 外の勢力まとめのコ〜ナー!!

 セイヤッ∠( '∀' )/


 馬鹿ボス仕切る集団があるぞ! その中に色んな派閥があり、バチバチにやり合ってるが、驚異が来れば一致団結できる!!

 歩くんはその派閥同士の争いを利用しようとしたが、無意味に終わったぞ!!


 6つの派閥があるが、それを大きくわけると三つに絞られるぞ!!

 楽園関係組!!

 壁の中の人類許さねぇ駆逐してやる組!!

 怪異転売ヤー組!!


 だいたいこの三つなので、細かいことは覚えなくてヨシっ!!!


 ちなみにバックルームで戦った人は、楽園へ行きたい組出身

 大規模進行で歩フィーバータイムで殺された人たちはみんな、楽園を提供したい組

 咲さん拉致拉致監禁なうした人たちは、怪異転売ヤー組

 今戦ってる人たちは、駆逐してやるよ! オラオラ組!! って感じっす


 まぁ敵の戯言なんで、そこまで気にしなくていいんすけどね〜

 えっ、つーか楽園ってなに?って?


 



 続きはH○luで!!!

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[良い点] 満身創痍の歩君を救ってくれるのは……誰か居るのかな……?
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