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怪異子葬  作者: エマ
10/44

File.10 バケモノ



 一歩。

 地面にヒビが走る。


 二歩。

 自重で地面が崩壊する。


 三歩。

 あの人を助けに、体が動いた。



「歩さん!! 」


 振り抜いた拳はコンクリートの壁を突き破る。

 すると見えた。

 無数の鉄パイプから串刺しにされる歩さんと、けたけた笑う気持ち悪いネコ達が。

 しかも歩さんの腕は片方ない。


子閉じ(コトジ)


 呟きとともに左腕の肉が肥大。

 そのまま天井を蹴り、全力をもって拳を振り下ろす。


才能否定(サイノウヒテイ)


 雷鳴のような爆音。

 地面にはクレーターが刻まれ、吹き飛んだネコ達は、壁に赤いシミと肉を広げた。


「歩さん……その傷はもう 」


「触れんな、俺の力は怪異を消す 」


 お腹も胸も穴だらけ。

 なのに歩さんは手を出して、私に近寄るなと示した。


「つかお前……彩音か? 随分イカす格好になったな 」


 私の変わった服と、顔と、髪を見て、彼は笑う。

 それは嫌だったけど、なぜか私も笑ってしまった。


「私は嫌いなんですけどね。だって……大人みたいじゃないですか 」


「ばーか格好を褒めただけだ。お前は変わってねぇよ 」


「……ありがとうございます。それと、遅れてすみません 」


「おう気にすんな。あと、俺が死んでも気にすんなよ? 」


「……はい 」


『ギジャアア!!! 』


 後ろからネコが飛び出した。

 その笑顔を回し蹴りで砕く。


「でも避難所には連れていきますよ!? 死ぬなら地上で死んでください!! 」


「分かった分かった。あと最期に一つ……命令があるんだが? 」


「えっ? 」


 グイッと服を捕まれ、そっと耳打ちをされた。




ーーー




(クソ! 最悪レコード更新すんじゃねぇ!! )


 共有したネコの視界。

 そこには死体を振り回してバケモノのように暴れ回る、彩音の姿が見える。


(よりにも寄って怪異化か。揺れがこっちにまで来やがる……だが、長くは続かねぇ。怪異を体に宿したんだ、寄生虫に生身を喰われてるような感覚だろ? )


 俺の読みは当たっているらしい。

 彩音の口からは何もしてないのに血が溢れた。


(このままネコを増やし続ければ時期に死ぬ。けどなんだこの嫌な予感は……最後まで油断できねぇな。ヤツらが確実に死ぬまでは……っ!? )


 視界の彩音はボロボロな歩を掴んだ。

 そして飛んだ。

 俺が隠れる、避難所の方へ。


(まずっ )


 視界の共有を切った時には、もう彩音は避難所の中にいた。

 一瞬の焦り。

 だが、


「バケモノだ!! バケモノが来たぞ!!! 」

「あいつらは私たちを置いて逃げたのよ 」


 パニックになった、避難者のおかげで、その焦りも失われた。


「おい……その死体。まさか殺したのか!? 」


「違います。あと……そろそろ逃げる準備をお願いします。私は長く持ちません 」


 彩音は短くそう言い残すと、避難所に風だけ残し、またネコ共を血祭りにあげ始めた。


(……ハッ、馬鹿どものおかげで助かったぜ。だがあとは)


「さぁ!!!! 」


「「「っ!!? 」」」


 突然、血まみれの歩が立ち上がった。

 その手には小さな卵が、ネコを呼び寄せる卵が握られていた。


(アイツまさかっ!! )


食べ放題(バイキング)の時間だぜぇ〜!!? 」


 それは地面に叩きつけられ、割れた。



 地震のような揺れ。

 それとともに避難所の扉が破られ、数百もの笑顔が、狭い通路に浮かび上がった。


「腕がぁぁ!! 」

「ふざけ……ふざけるんじゃないわよ!! なんで黙って死なないのよあんた」

「助けてくれぇぇえ!! 」

「お母さん……」

「大丈夫だからね!! お母さんの後ろから出ないでね!!! 」


 血と悲鳴がこだまする地獄。

 その中を平然と歩く男がいた。


「お前よォ、卵みた時……最初に動揺したよな? 」


「っ!? 」


「観測部隊しか知らない情報を、なんでか知ってたよなぁ? 」


 血まみれの足を引きづりながら、噛み切られた舌を出しながら、男は笑う。


(なんだコイツなんだコイツなんっ)


「なぁそこのメガネ…… 」


(っ!!? )


 男の残った左腕には、銃が握られていた。

 それはこっちを向いている。


「おめぇが怪異操ってるヤツだろ? 自分の能力はちゃんと知っとかないといけねぇからなぁ 」


「ちがっ、俺は!! 」


「まぁたまたまバックルームに詳しかった一般人の可用性もあるが 」


「そ、そうだ!! 俺はこの怪異をネットで見てただけで」


 焦る心臓。

 ツギハギの言い訳。

 だが撃たれなければそれで、


「そしたら 」


 けれど男は銃の安全装置を外した。


「俺が人殺しになるだけだ 」


「ヒィ!!? 」


 3度の銃声。

 放たれた弾丸は、操ったネコが盾となってくれた。


「はいみ〜っけ 」


「てめぇ……イカレてんのか!!? 」


 隠してた銃で五発。

 男の体に叩き込む。

 とうぜんヤツは倒れ、動かなくなった。


「はぁ……はぁ……クソ 」


 ネコを操ったせいで、避難者への攻撃が止んだ。

 いつもオート操作にしてるから。

 だが彩音は居ない。

 こいつらを守る存在も。

 今こいつらを殺せば、まだ逃げられ


「命令でしたもんね 」


「っ!? 」


 風と共にネコたちはいっせいに爆ぜた。

 天井には異質な腕を持った女が立っている。


「銃声が聞こえたら、一秒で戻って来いって 」


「っう!!? 」


 ネコの肉壁。

 腕の檻。

 それで一秒でも稼ごうとする。

 だが、


子閉じ(コトジ)


 振り抜かれた拳はすべてを破壊した。


理想否定(ユメコワシ)


 気がつけば、風よりも速い拳が目の前にあった。



「がばっ!!? 」


 吹き飛ばされた体。

 何枚もの壁をぶち抜き、その度に臓物が弾けていく。


(殴られ目が潰れ頭がはやく止まっ)


「捕まえた 」


 吹き飛ばされているのに、追いつかれた。

 足。

 を、握りつぶされ、


「っ゛う!!? 」


 地面に叩きつけられた。


「ごばぁっ!!!? 」


 何層。

 突き破っても。

 勢いは弱まらない。

 それでもヤツは追ってくる。


(まもっ……れ!! )


 寄せ集めのネコの肉壁も、腕も、電車も、ヤツの前では足止めにもならない。

 一瞬で壊れ、チリとなり、すべてが肉片となっていく。


 いや、そもそもおかしい。

 腕はともかく、ネコの生命力はバックルーム随一だ。

 なのに一撃で殺されてる。

 なんならこのバックルーム全体を容易く破壊するなんて……


(まさかこいつの能力は…… )


 目の前にまた拳が、


(自らの強化と、広範囲の……弱体化か!! )


子閉じ(コトジ)……意思屈服(ドナリゴエ)


 肥大した腕が。

 左胸を貫く。

 心臓も潰れた。

 あぁ、もう死ぬ……





 なら、


「っ!? 」


 バックルームをすべて崩壊させ、胸に生み出したネコの心臓を、体に繋ぐ。

 怪異との拒絶反応で全身を激痛が駆ける。

 だが命が伸びるならそれでいい。


「それは誰にも訪れる、日常が終わる恐怖 」


 崩壊した瓦礫は彩音の行く末をはばむ。


「それは子供を(さら)い、大人の心を折り、金をもって一つの死体を産み出すもの 」


 けれど拳が瓦礫を突き破り、飛んできた蹴りから顔面をえぐられる。

 顔の半分が潰れた。


「っ!? 」


 だがネコの肉で補強する。


「始まりの電話、でまかせまみれの約束、積み上げられた金とハエに喰われる子供……それの繰り返し 」


「さっさと…… 」


 落ちてきた巨大な瓦礫。

 それを踏み台に、彩音は加速。


「死ね!!!! 」


 振り抜かれた拳が腹を貫き、自由になった下半身が瓦礫に埋もれていく。


「けれど、生き延びた子供はどうなるか? 」


「っ!? 」


「どうにもならない。トラウマに苦しみ、道無き道で首を吊るだけだ 」


 腰の断面から現れた、数百枚もの借用書。

 それは顔に巻き付き、体を締め上げ、俺を殺しに来る。


「怪異化 」


 胸と首に生えた、計5本の腕。

 指の形をしたペーパーナイフ。

 そして腹から垂れ下がる、麻紐を通された四足の靴。


 人の部分はすべて、怪異に呑まれた。


「終わり無き苦しみ、誘拐の怪異(ゆうかいのかいい)


 でもそれでいい。

 命懸けなのは、お前らだけじゃない。

 

未来隠し(ミチカクシ)


 振り回されたペーパーナイフは、瓦礫の滝ごと、彩音の左腕を切り落とした。

 だが同時に、彩音の蹴りが俺の腹をえぐる。


「「っう!!! 」」


 互いに吹き飛ぶ。

 瓦礫を突き抜けて。


 着地した。

 瓦礫が落ちる、巨大な空洞に。


「ハハッ、ヤるじゃねぇか 」


「……… 」


「吊れねぇなぁ。あァそレと……上ヲ見ろ 」


「っ!? 」


 落ちナガら再構築していた。

 逆さのバックルームを。

 一度分解シた瓦礫を使って。


「俺ノ能力は……分解ト構築。あそこで産まれたバケモノは……ソノマまここに堕ちてくる…… 」


 言ってしまえば、バケモノの雨が降り続けるヨうなモノだ。


「お前にとっては爆弾……オレにとっては仲間がフエルだけ……さぁ!!!! 」


 もう人間では無い腕を広げて、ゼンリョクで叫ぶ!!


「クソゲーの!!! ハジマリだっ? 」


 足を何かに掴まれた。

 身体中の怪異が砕けた。

 足元には、ヤツが舌を出して笑っていた。


「ゲームオーバ〜 」


 死にかけの……歩と呼ばれる男が。


「っ!! 死に損ないがァァ!!! 」


子閉じ(コトジ)


「ぅっ!!? 」


 全身を暴風のような殺気が叩く。

 すぐに避け……足が!?


「逃がすかよバー〜ーか 」


「はなっ」

 

 足を捕まれ避けられない。

 その一瞬で、



 俺の死は確定した。



命壊し(ギャクタイ)


 

 

 ただ上から振り下ろされた、肥大した拳。

 それが頭に触れた瞬間、音もなく、頭は消し飛んだ。






ーーー




「ゲホッ……あぁ疲れたぁ 」


 無茶したせいで頭がクラクラする。

 いやこれ死にかけてるだけだ。

 血ぃ止まらねぇし、意識も薄れてきた。


「えっ歩さん……助かりましたけど、なんでここに居るんですか? 」


「ネコに引っ付いて来たんだよ。隠れてたとはいえ、全力で吹き飛ばしやがってよぉ 」


「あっ……ほんとごめんなさい 」


「……気にすんな、お前はさっさと腕縛れ。死ぬぞ? 」


「私は大丈夫ですよ。怪異化してるので、痛覚もありませんし 」


「あぁ、怪異化は文字通り……怪異そのものになるからな 」


「「っ!? 」」


 目も脳もない死体が喋った。

 怪異そのものに……なら人間の致命傷でも死なねぇってことだろうが、お前は違うだろ!?


(怪異は俺が壊した!! なのになんで生きてる!? )


「俺の能力は……構築と分解。構築するまでが怪異の力だ。俺が死んだとしても、作ったものは残り続ける 」


「……! 彩音!! そいつを殺せ!!! 」


「えっ? 」


「遅せぇよバカ!!! 」


 男は神に祈るように、手を合わせた。


「誰もが住める……楽園へ 」


 瞬間、宙吊りのバックルームはバラバラに崩れ、数万もの瓦礫がそのまま落ちてきた。


 あの量。

 この質量。

 怪異の力があれど、生き埋めは避けられない。

 ……なら、



「ほら彩音、これ 」


「えっちょ 」


 地面に落ちてた中身の入ったペットボトル。

 外した俺の時計と調査隊の遺品。

 制服の腰ベルト。

 それをぜんぶ、彩音に投げ渡す。


「ベルトで腕を縛れ。あと飲水は貴重だから無駄使いすんなよ 」


「いや……何言って」


「あと墓は要らねぇからな。俺のことは忘れてくれ 」


「……っ!! そんな歩さんも」


 今ここで、一番生き残る確率があるのは彩音だ。

 なら託せるものはぜんぶやるのは普通だ。

 だから笑って、



「じゃな 」



 さよならの挨拶をした。

 すると俺の墓石になる瓦礫たちが、上から落ちてきた。





(あーぁ、明日のデート……行きたかったな )



 もう一秒後には潰れるって瞬間、どこか遠くの方で、鈴の音が聞こえたら。



ーーー




「がくちょ〜、ほんとに良かったんです〜? 泡魅隊長に救助任務なんて当たらせて 」


 学長室で情報処理をやらせてる槌子(ついこ)が、めんどくさそうに呟く。

 でも言いたい事は少し分かってしまう。


「たしかに、泡魅……哀花くんに救助任務は役不足さ。でもたまには良いじゃないか 」


 積み上げれた紙を一枚取ると、アレを思い出した。

 墓石の前で泣き叫ぶ、哀花くんの姿を。


「知り合った仲間くらい、彼女に護らせてあげようよ。仲間の死は何よりも辛いからね 」





ーーー



「……ん? 」


 目が覚めた。


(固い……地面の上か? つーかなんで俺、死ねてないんだ? )


「あっ、起きた。大丈夫かい? 」


 誰かが俺を覗き込んできた。

 それは……柔らかな髪を揺らす、哀花だった。


「うぉ哀花!? なんでここに!!? 」


「なんでって……救助要請があったから来ただけだよ。ギリギリだったけど、間に合って良かった 」


「いや間に合って言っても、もう目の前に瓦礫が」


 降ってきた。

 そうは言えなかった。


 空は、透明なクリスタルで覆い尽くされていた。

 莫大な量の瓦礫も、怪異の残骸も、すべてはクリスタルの中に閉じ込められている。


「これ……哀花がぜんぶやったのか? 」


「そうだよ 」


 静かに笑う哀花は……なんというか凄く……めちゃくちゃ……イケメンに見える……


「ほんとカッコイイなぁお前。ありがとな 」


「大した事じゃないよ。お礼は私より咲に、歩の傷を治したのも咲だから 」


 言われて気がついた。

 いつの間にか、引きちぎれた右腕がある事に。

 周りを見ても、怪異にムシャムシャされてた避難者たちも無傷で横たわっている。

 でも、哀花にも救われた事は変わりない。


「でもありがとよ。哀花が瓦礫止めてくれなきゃ、押し潰れて即死だったろうしな 」


「どう、致しまして。ほんと…………二人が死ななくて良かった 」


 今にも泣きそうな顔をしながら、哀花は俺の両手をギュッと握りこんできた。

 そのせいで心臓が不整脈のごとく暴れ出す。


(あばばばばこれ何? ナニこれ? キスのタイミングかこれぇ!!? えっ抱きしめていい? ダメこれ? お縄について裁判死刑とかなんないこれ? いやいいよなぁ命張ったし!! 手を握り返すくらいぜんぜん構わ)


「歩さん!! 」


(フェッなに!? )


 爆音ボイスで寝起きの耳をぶん殴られた。

 キンキンする右側を向けば、そこには誰もいない。

 反対を見れば、そこには肩で息をする彩音が居た。


「あぁ彩音か。腕を生えたんだな……あー良かったよがっ!? 」


 サッカーボールを飛ばすような、大ぶりの蹴り。

 それが突如として、俺の顎にクリーンヒットした。


 宙を三回くらいきりもみ回転し、五回くらい地面を跳ねて、ようやく体は止まった。

 どうやら舌を噛んだらしい。

 血が止まらない。

 だがそれよりも、


「えっ……ナニゴト? 」


 なぜ蹴られたのかが全く理解できない。

 ……怖い。


「今ので刺したのはチャラにしてあげます!!! 優しいでしょう私!!? 」


 腕刺されるより、今の俺の方が重症なんだが?

 せっかく治ったのに、また死にかけてるんだが?

 つか彩音って、こんなテンション高かったっけ?


「ほんと……生きてて良かった 」


 と思ったものつかの間、今度は彩音が抱きしめてきた。

 ……DVか?

 殴って優しくされるってDVだろこれ!?

 いや蹴られたのか俺。


「彩音 」


「ヒッ!!? 」


 突然、彩音の後ろから冷たい声がした。

 抑揚なく、優しさの欠けらも無いような、純度100パーセントの殺意が込められたものが。


「さ……咲さん…… 」


 そこには仁王立ちをする咲が居た。

 誰がどう見ても不機嫌だと分かる、血管の浮かんだ顔。

 圧。

 そんなおっかない女が、自分よりも背の高い彩音の肩を掴んでキレている。


「私が治したのに……なんでもう怪我させてる訳? 」


「いやあの……これには深い訳がありまして…… 」


(よし、今のうちに俺は逃げ)


「新人 」


「ハイッ!? 」


 急に呼ばれた。

 心臓が跳ね上がる。


「刺したって何? 」


「いやあの……これには海より深い訳がアリマシテ 」


「それと、なんでベルト外してる訳? 」


「…………チャイマスネン。これには」


「二人とも 」


 咲が手を組む。

 それだけで圧は倍増し、恐怖のせいで口が動かない。


「とりあえず正座 」


「「……はい 」」





 そこから怒られた。

 文字通り死ぬほど。


 哀花がまぁまぁと宥めてはくれたが、俺が彩音を刺したこと。

 単独行動したこと。

 避難者を危険に合わせたこと。

 自分の命を安く使ったこと。

 そこら辺をめちゃくちゃネチネチ責められた。



 彩音は避難者と俺を護らなかったこと。

 避難者への配慮なく暴れたこと。

 バックルームが崩壊した直後に、救助要請をすぐに出さなかったこと。

 その辺をガミガミ説教されてた。



 だが最後には、


「まぁ……どっちも死ななくて良かったわ。幸いにも次があるんだから、その時に挽回(ばんかい)しなさい 」


 そうやって笑ってくれた。



「おーい、大丈夫かぁ? 」


 上から声がしたかと思えば、ロープをするする降りてくる誰かが居た。

 顔はヘルメットで見えない。

 だが着ているオレンジ色の服から、救助隊だと思う。


「哀花隊長。生存者はこれで全員ですか? 」


「はい 」


「分かりました……遭難者の救助、怪異討伐、お疲れ様でした 」


 ぺこりとお辞儀をすれば、男は避難者の方へと走っていった。


「任務完了よ。さっ、帰るわよ 」


 咲からそう言われ、やっと実感した。

 俺たちの任務は……終わったんだ。




 




作品ストックが切れたので、ここからはめちゃくちゃ不定期投稿になります!!


 おもしれぇ!!

 はよ投稿しろカス!!

 歩キモイ!!

 彩音カッコイイ!!

 咲チートじゃね?

 哀花強くね?


 そう思って頂けたら、ポイントの方をよろしくお願いします

 あっ、感想もブックマークもいいねもRTもチャンネル登録もよろしくお願いします!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] スリリングな戦闘!死んでも死なない歩クン! クソキャラも全然死なないしなんだこの世界!(激誉め 戦闘が終わると途端にクズキャラ化する歩クンが最高です。彩音さんDVwww 何気にハーレムぽ…
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