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一人の星/Eternal bearer
星が、ほしくなった。
一つ手に取ってみたかった。
もはや伽藍堂のような薄暗い図書館で一人見た、人がまだたくさんいた頃に書かれた“エホン”というジャンルの本達に、星や月を人が手に入れる話があった。
大体は手に入れたらすぐに輝きや存在が消えていくのだけれど、それでも、充実感だけでも、味わってみたいと思うようになった。
少し年が経って、僕は少しの絶望をした。
あの煌々と輝く星達は物理的に手に入れることはできないらしい。
でも、石の星なら、地球の重力に引っ張られて、時々落ちてくるらしい。
少しの絶望はそれと引き換えに僕に夢を見せてくれた。
僕は旅に出る。
隕石探しの旅に。