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第42話 タコさん タコさん


 てなわけで町外れの井戸にやってきたのだった。




《入ると死にます》




 そんな看板が立っている。


「ここから地下500キロメートルの5層の底まで直通だよ」


「それは井戸なんか?」

「もともとあった井戸にダンジョンがつながったんだよ」


 菜月の疑問にユズルが答える。


「入ったことあんの?」


「ああ。俺は如意宝珠(石ころ)状態でだったけど、レイミーとカーナといっしょにね」


「最深到達記録(レコード)は私たちが持っているぞ!」


「私もレイミーに寄生してだけどねー」




 みんなで井戸を覗き込む。


 一辺が20メートルほどの大きな正方形の穴で、壁面には階段が刻まれている。


「下まで降りてそこに湧き出てる水を汲んでくるタイプの井戸だっだのだが、トンネルの方でダンジョンを掘り当てたと同時にここの底が抜けてな!」


「インドの階段井戸みたいなやつだったのね」


「村の水源がひとつ無くなったかと父上が焦っていたぞ! 壁から水が湧き出たままだったから、それを汲み上げることで解決したがな!」


 井戸では水汲みゴーレムが列になって、陰気な水汲み唄を歌いながら水汲み作業をしている。

 壁面から湧き出る水を桶に汲み、(かつ)いで階段を登ってくる。


 ゴーレムさんつらそう。


「あの唄を歌わせないと動かないんだよな、なぜか」


「歌わせるのもジュールのアイデアだぞ!」


「こっちで色々とやってたんだな、ユズル」


「まあな」




 この世界でのユズルの18年をだいぶすっ飛ばしてしまったので、それを今みんなで追体験してるみたいなところはある。


 だから脱線してもしかたないんだ! そうさ!




「どうやって下に降りるんですか?」

 とクグが訊いてくる。


 階段は湧き水の所までしかない。


「基本落ちるだけだけど、この中で飛べる人は?」


 ユズルの言葉にクグ、パズトゥス、菜月、レイミーが手を挙げる。【ぬ2772】も手を挙げる代わりにライトをピカピカさせた。




「飛べないのは(りん)さんと妹ちゃんとカーナか」


「信徒としてお恥ずかしい限りです。申し訳ない」


「わたしは あやまらない!」


「レイミーがおぶってくれるから問題ないねー」




『私が飛べますから、みんなを乗せて降りればいいでしょう』


 と【ぬ2772】が言う。


『大きい方がいいですね、クラスチェンジ!《軽トラック→ピックアップトラック》』


 軽トラ形態だった【ぬ2772】がピックアップトラックに戻った。


「ガソリン足りそう?」


『足りなければ足りないで緊迫したギリギリ感を出せるので物語的にはいいんじゃないでしょうか』




 そうだね。




「ではさっさと行きますか。出発!」


 みんなで【ぬ2772】に乗り込む。

 井戸に向けて走り出し、そのまま端から飛び出した。


『とりあえずはただ落ちますね』


「ひょおおおおおおぉ!!!」


 重力に従って落ちていく。


 叫んだのが誰だったのかはよくわからない。

 誰でもいいよね。




 頭上では四角く切り取られた青空があっという間に小さくなっていく。


 やがて、周りは真っ暗になった。


「500キロも落ちるとなるとけっこう時間がかかるな」


 落ち始めの自由落下中はトラックの中は無重力に近い状態で人や物が浮き気味だったが、終端速度に達して落下速度が一定になると重力が戻ってきてみんな車の床に落ち着いた。


「底に着くまで3時間くらいかな」


「ヒマだね」






「この世にいーなーい、生まれたばーかーり、1歳、2歳、3歳、」


 室内灯の仄暗(ほのぐら)い明かりの中、小学生がやるような手遊びをしたりしながら過ごす。ヒマなので。


「4歳で死亡ー」

「死んだー。それにしても熱くなってきたな」

「地熱の影響だね」


「みんなお揃いで耐熱装備つけとこうぜ!」


 菜月がポータブルストレージから全員分の耐熱腕輪を出して配った。


「これで6000℃までは大丈夫だよ」

「いろいろ持ってんのね」

「その場の都合で何でも出すぜ!」


 ご都合主義は助かるわい。




「なんだか明るくなってきましたよ!」

 クグが周りを見て言った。


 すごいスピードで上へ通り過ぎていく井戸の壁が赤い光を放っている。




「解説しましょう! これは熱放射による発光ですね。地下は暗黒の世界だと思われがちですが、ここまで深く潜るとそうではありません。マグマが光っているように、高温の物体は光を出します。今の深さだと周りの温度は1000℃を超えてますから、赤い光を出し始めたわけです。実はさっきまでも赤外線は出てましたよ!」


 解説娘ちゃんが出てきたせいで荷台がさらに狭くなった。


「狭いな。解説しかやることないんだから妖精サイズとかになれないの?」

「眼鏡に合いませんから!」


「眼鏡が本体?」

「はい!」




「重力だの地熱だの熱放射だの、異世界のくせに地球と同じ物理を持ち出してくるなー」


「基本的なところで法則が共通してないとそもそも人間の形で生きてられませんから!」


「ご都合主義でどうにでもなるだろに」


 ご都合主義は助かるわい!




 落ちるにつれて周りはどんどん熱く、明るくなっていき、壁がまぶしいほどの白熱光を発する。


「これの底に緑色のタコがいるんだっけ? タコにはあんま良い環境じゃなさそーだな」


「ダンジョンボスのひとりだな! 前に倒した時は暑そうにしてたぞ!」


「なんでタコがわざわざそんなとこに」


「ボスだから仕方ないそうだ! 普段は森の中に住んでいて、ボス部屋に誰か入ると呼ばれるって言ってた!」


「やとわれかー。つか森の中もタコには合わねーだろに」


(おか)クラーケンだから森に住むそうだ!」




『そろそろ底に着くころでしょうか。減速始めますね』


 今まで落ちるに任せていた【ぬ2772】がそう言って落下速度を落とし始めた。

 降りエレベーターが止まる時のように、車内のものが床に押しつけられる。




『着きましたね。着地します』


 井戸の底に、みんなを乗せたトラックが静かに降り立つ。


 そこら中が光っていて何が何やら分からない。


 出番だぞ、ご都合主義!


「インフェルノエパラディーゾ オスクラメント( 減光 )!」


 ユズルが多用途な必殺技で周りの光を減らす。


「ご都合主義は助かるな」


 助かるだろ!




 まぶしい光が取り除かれると、そこは巨大な半球状のドームだった。

 天井の中央にみんなが降りてきた井戸の穴が開いている。


 ドームの壁は透明な(スピネル)(ペリドット)の石で構成されていて、キラキラと美しい。


「さすが異世界。壮麗だなー」


「地球もこの深さだとこんな感じだっていうよ」


「なんだこれも地球のマネかよ」




「タコさんいないですね」

 クグがドームを見回す。


「そこのラインを越えると出てくる仕様だったかな」


「どれ」


 菜月が床のラインから一歩踏み出してみる。


 シャン、と効果音が鳴り、ボス出現ムービーが始まった。

 カメラがドームの一方を向く。


「カメラ?」




 カメラの先に光の点が現れ、そこから召喚魔法陣が広がる。


〈オクトクリル インストール〉


 ナレーションが流れて、大きな緑色のタコが出現した。




(おか)クラーケン オクトクリル レベル10000》




 そんな表示が浮かび上がる。


 ムービー中の拘束が解けて、みんな操作可能になった。


「操作?」




 ボス戦BGMの前奏(イントロ)が流れ始めた。ドームの端に(しつらえ)られたステージで楽団が演奏している。




「いらっしゃい、冒険者たち」


 緑色のタコ、オクトクリルがあいさつしてきた。

 戦闘前に会話するタイプのボス戦か。


「また来たぞ! 前よりレベルが10倍高いな!」


 レイミーが返事する。

 前に来た時はタコのレベルは1000だったようだ。


「レベル変動型のボスだからね」


「装備もいいな!」


 オクトクリルは8本の腕全部に耐熱腕輪を着けている。

 熱さ対策もバッチリのようだ。


「瞬殺する予定だったが無理そうだな!」




「ところでさ」


 タコさんは何か言いたいことがあるようだ。


「なに?」

 とりあえずユズルが相手する。


「人を(ののし)るときに『タコ』って言うことあるじゃん?」

「あるね。『このタコーっ!』とか言うね」


「なんで?」

「え?」


「なんで悪口で『タコ』って言うの?」

「どこぞの五歳児みたいな聞き方を」


「ひどいと思わない? もし悪口の意味で『このユズル!』とか言われたらどう思う?」

「いい気分じゃないね」


「『タコ』は悪口じゃないもん」

「そうだよね。使わないようにするよ」


「37話でルビウスが悪口に使ってた」

「悪いやつだね。今度注意しとくよ」


「そうして。じゃ戦おっか。先に進みたければ僕を倒してみせるがいい!」

「なんだか悪いね。じゃあ、倒すよ」




 イントロをループしていた戦闘BGMがAメロに入る。


 戦いは、オクトクリルの先制から始まった。




 《3000℃の炎》




 オクトクリルが高熱の炎を噴き出した。

 火炎がユズルたちを包み込む。


 タコっぽくない攻撃だな。


 耐熱腕輪のおかげで、みんな無傷だった。




 とにかくこれで反撃する理由ができた。

 正当防衛が成立だ。


 何もしてないモンスターにこちらから襲いかかるって邪悪じゃね?




「火を吹くとか、それでもタコかよ!」

「それ、悪口?」

「ちゃうけど」

「ならいい」


 オクトクリルの腕が鞭のように菜月に打ちかかる。

 菜月はそれを片手で弾き返した。


「へっ、オレのレベルは80000以上だぜ」




 まともな戦いなんてずいぶん久しぶりな気がする。




「インフェルノ エ パラディーゾ!!!」

 ワンパターンだが、この技一本で食ってくと決めたユズルには他に芸はない。


 ユズルの(こぶし)がオクトクリルに突き刺ささる。


「む、浅いか!」

「痛いな」


 ブンッとタコの腕が振るわれ、ユズルを殴り飛ばした。


「おっさん!」「ユズルさん!」「敬徳さま!」「ジュール!」

 ヒロインの皆さんがそれぞれの呼び方でユズルを心配する。




「おっと」

 パズトゥスが吹き飛ばされたユズルを空中で受け止める。


「もっかい行け!」

 そしてそのままオクトクリルめがけて放り投げた。


「インフェルノエパラディーゾォ!」


 投げられた勢いも加えて再び必殺技を繰り出す。


「ぐぐっ!」


 腕4本でガードされたが、けっこうHPを削った。




『鈴さんと舞さんのレベルでは危ないですね。私の中にいてください』

 【ぬ2772】が姉妹を保護する。


「むむ、敬徳さまのお役に立てない貧弱なこの身が恨めしい」

「きにせず まもられる!」


 テストコースで倒したモンスターの経験値を譲ってもらって姉妹のレベルは上がっているが、それでもまだレベル980ほどだ。


 レベルの枠が無いパズトゥスを除いて、このパーティのレベルはこんな感じになっている。


   菜月 Lv.86700

  ユズル Lv.10000

   クグ Lv.10000

【ぬ2772】 Lv.9300

 レイミー Lv.7400

  カーナ Lv.1805

  工藤鈴 Lv.982

 妹ちゃん Lv.982


「バランス悪いパーティだなー」

 オクトクリルがつぶやいた。


 そうだね。




「私は触手に捕まえられて服を破かれて『くっころ』って言えばいいんだな! ジュール!」


「やらんでいいよ! 普通に戦ってくれ」


 レイミーがボケてくるから仕方なくユズルがツッこむ。


「そうか! ではフラワーゴーレム召喚!」


 オクトクリルを取り囲むように、8体のゴーレムが現れた。


 それを見てタコさんが8本の腕を身に引き寄せてグッと力を込める。


 ゲージが溜まっていく。


 《回転八腕撃》


「ヤァー!」

 かけ声と共に腕を伸ばしながら体を一回転させた。


 ゴーレムは全て破壊され、ピンクの花びらが舞い踊った。


 美しい光景だ。




「演出もバッチリだねー」

 カーナがパチパチと拍手する。


 《打ち下ろし→カーナ》


 カーナめがけてタコの腕が振り下ろされる。


「カーナ様!」


 腕が地面を叩いた。

 そこにもうカーナはいない。


「幼児性空間転移症がスキルに成長して」


 カーナがレイミーの背中から顔を出した。


「私はいつでもレイミーのそばに転移できるのよ」




 あったわ、そんな設定。




「クグパンチ! クグキック! ベテルギウスナグラー!」


 クグは地道にHPを削っている。

 何気に一番多くダメージを与えていた。


 ええ子やね。


「この戦いが終わったら、結婚しましょうユズルさん!」


 フラグ発言は控えてくださいな。




『私もいくらかはダメージに寄与しないとですね。テクニカルモード!』


【ぬ2772】の荷台に重機関銃が現れた。


 ピックアップトラックの荷台には重火器がよく似合う。


『鈴さん、舞さん、射手をお願いします』


「分かった! 敬徳さま、支援いたします!」

「わたしは 弾帯(ベルト)もち やる!」


 鈴と舞が荷台に這い出て機関銃に取り付いた。


『安全な距離を取っておきますので、遠距離からぺちぺちとダメージを積んでくださいね』


「がってん承知!」

「9ヤードを おみまいしな!」


 工藤鈴がトリガーを押し込んだ。


 バン!!!


 12.7ミリ弾が発射される。


「あれ? 一発しか出ない」

「まんなかの ベロを おしこんで こていしろ!」


「こう?」


 ババババババッ!!!


 今度は連射できた。

「みかたに あてるなよ!」


(いて)え!」

「当てちゃった」


「ちゃんと狙え! この狂信者!」

 誤射を受けた菜月が文句を言った。


 対物ライフルと同じ弾丸を食らって痛いですむとは、レベル86700ってすごいんだね!


「めんご。まあ、敬徳さまに当てなきゃいいよね」


「いいけどさ。レベルが高くてよかった。おっと!」


 オクトクリルから鈴たちに向けて撃ち出された高熱火球を菜月が蹴り飛ばして霧散させる。


「かたじけない!」

「世話が焼けるぜ!」




 桜の花びらが舞い踊る中、戦いは続く。


 だいぶHPも削れて、残り一割くらいになってきた。


「このまま続けても問題なく勝てそうだが、ちょっとつまらんな。何か面白いトドメの刺し方は無いものか」


 パズトゥスがのんきに思案する。

 映えは重要だもんね。


「合体技か協力技か……そうだアレやってみよう。ヒロインども! ユズルに抱きつけ!」


「ちょっと何言って」


フェルマーレ( 停 止 )!」

 パズトゥスがオクトクリルを拘束する。


「別に待てと言えば待つのに」

 オクトクリルさんはおとなしく拘束されております。




 その隙に女性たちがユズルに群がった。

 機会があれば逃さないヒロインどもである。


 妹ちゃんと【ぬ2772】は参加せずただ見ている。


「けあー! けあー!」

「ほれほれおっさん、おっぱい!」

「結婚! 結婚!」

「くっころくっころ!」

「ぺろぺろ!」


「ちょ、ちょ、ちょ、」


 プシュプシュプシュプシュ!


 みんな勢いにまかせつつも恥ずかしそうにしているのがまた効く。

 とっても効く。




「もういいぞ」

 パズトゥスが絡まるヒロインたちの中からユズルを引っ張り出した。

 沈静ヘルメットをスポッと脱がせる。

 そしてちょうど拘束の解けたオクトクリルめがけて、ユズルを投げつけた。




 電撃の呪いが発動した。




 ユズルをぶつけられたタコさんにも電気が流れていく。


「あばばばばばばばばばば」


「おー、効いてる効いてる」


 オクトクリルのHPがどんどん減っていく。

 電気は弱点だったのかな?


 発火の呪いも出ているが、耐熱装備のおかげでそちらは効いていないようだ。


 ユズルはがんばって電撃に耐えてるよ!


「仕上げだ、ヒロインども。ユズルに投げキッスを浴びせてやれ! Blow him the kiss !」




 女性陣がそれぞれ手のひらに唇をチュッと当ててから、タコと一緒に痺れているユズルに向けてふうっと吐息で飛ばした。


 キスが飛んでいく。

 ヒロイン達からのラブコールがユズルのハートに命中する。


 ユズルが、好意を寄せてくる異性を意識する。




〈呪いが爆発まで進行しました〉




「合体!」


 パズトゥスが素早く前に出て、ガシャンと体を開いてユズルを鎧の中にしまい込んだ。




〈爆発します〉




 パズユズの足元で大爆発が起こった。


 桃色の花びらが舞い狂う。




 (パズトゥス)に守られて、ユズルにダメージは無い。

 ユズル自体が爆発するような呪いでなくて良かったね!




 すぐそばで起きた爆発で、オクトクリルの残りHPがゼロになった。


「『タコ』は悪口じゃないもん……」


 そう言い残して、タコさんは光になって消えて行った。




 タコは森へ帰った。

 みんなも、悪口を言うときには気をつけるんだよ。

 もしも、悪口で『タコ』なんて言ったら。

 緑色のタコが君を襲いに来るかもしれないよ。




 楽団が勝利のファンファーレを鳴らした。




「「「「Veni(来た), vidi(見た), vici(勝った) ! Veni(来た), vidi(見た), vici(勝った) ! 」」」」


 みんなの口から自動的に勝鬨(かちどき)が上がる。

 やっぱイタリア語はいいね!


「これラテン語だけど」


 あれ? やっべルビウスにバカにされる。


『バーカバーカ』


 くっ、リモートでバカにされた!




 オクトクリルが消えたあとには、スイカほどの大きさの経験値ボールと宝箱がドロップしていた。


「経験値、だれが飲む?」


「底上げした方がいいだろうから、鈴さんと舞ちゃんとカーナかな」


「私はレイミーに守ってもらうからいらないー」

「少しは飲んでください、カーナ様!」

「少しねー」


 スイカサイズはさすがにそのままでは飲めない。


「経験値交換屋でーす。経験値ドリンクと交換しますよー」

 通りすがった流しの経験値交換屋さんに経験値ドリンクと交換してもらって、3人で分けて飲んだ。

 新商品のシルベリスプラッシュ味だ。


 小腸から吸収された経験値が肝臓で各種ステータスに変換され、血管を通って全身の細胞に運ばれていく。


工藤鈴 Lv.2982

工藤舞 Lv.2982

カーナ Lv.2805


 こんな感じになった。


 レベルの数字に深い意味は無い。

 一切の考察は無駄だ! だから即刻やめてくださいすみません。




 経験値の始末がつけば、次は宝箱だ。


「宝箱の中身は……酸化ケイ素と酸化アルミニウムと酸化ベリリウムと酸化ミスリルと酸化オリハルコンと酸化アダマンタイトと酸化ヒヒイロカネか」


 都合よく素材が入ってた。


「あとはそこらで酸化スライムと酸化ドラゴンを狩ればガソリンの小瓶の材料はそろうね」

「酸化スライムはテストコースでドロップしたから酸化ドラゴンだけだな」


「狩ってきたぞー」

 菜月が酸化ドラゴンを引きずってきた。


 展開を急いでるからさ。


『どうかお命だけは。どうか』

 ドラゴンが泣いている。


「あわれ!」


「どの部位が要んの?」


「尻尾のウロコだとさ」

 パズトゥスがレシピブックを見て答えた。


「よっしゃ、ベリっと。行っていいよ」

 酸化ウロコを剥がしてドラゴンを解放する。


『恩に着ます。恩に着ます』

 酸化ドラゴンはペコペコ頭を下げて去っていった。




「材料はこれでそろったな。合成もここでできるんだっけ?」


「ああ、だがどうでもいい戦闘でだいぶ消費しちゃったからな。ひとまず休もう」


「そだね。次回までお茶でもしてようか」






 休息は大事だよ。


 お茶でも飲みな。



 江戸時代、上流である旗本が下流の御家人に対して『御目見え以下』という意味で『イカ』と罵倒していたことに対抗して、御家人が旗本を『タコ』と言い返したことが語源だという説。

 僧侶のくせに肉を食って酒を飲んで女を抱く生臭坊主を揶揄して、同じハゲ頭ということで『タコ』と呼んだ説。

 タコは腹が減ると自分の足を食うアホだという俗説からという説。

 などいくつか説があるようでござるタコ。

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