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素晴らしいこの世界の片隅で。

出来の良い兄と、出来の悪い弟

作者: ニチニチ
掲載日:2021/08/09

兄は、誰にでもやさしかった。

弟は、誰にでもイタズラをした。


兄は、学問が得意だった。

弟は、学問が苦手だった。


兄は、人のために何かをやる人だった。

弟は、自分のために何かをやる人だった。


兄は、出来が良かった。

弟は、出来が悪かった。


 

 



やさしい兄は、誰からも好かれていた。

それに比べて、自分勝手な弟は、周りからは煙たい存在だった。

そんな兄の事が、気に入らなくて、小さい頃はよく喧嘩をした。

でも、年齢差があったので、弟は簡単に負けてしまう。



喧嘩を仕掛けるのは、いつも弟。

兄は基本的には取り合わないが、我慢の限界が来ると爆発する。

爆発すると、めちゃくちゃ怖くて、弟は一目散に逃げていく。




親の仲裁が入ったそのあとで。

それぞれに事情聴取をされると、決まって犯人は弟だった。

 



やがて、兄弟は喧嘩をしなくなった。

弟は、成長するにつれて、やさしい兄を尊敬するようになった。

めっきり喧嘩をしなくなり、仲が良い兄弟だと言われるようになった。

弟は、仲が良い兄弟が、少し誇らしかった。




兄は、ずっと弟のことを気にかけていた。

自分のことよりも、弟を優先し、弟について理解していた。

やっぱり、出来の良い兄だった。




今でも、弟はふと思うことがある。

自分は、兄の何を知っていたのだろうかと。

もしかして、何も知らなかったのではないか。

 



喧嘩をしなくなって、ずいぶんと歳月が流れた。

喧嘩をする相手が、ある日突然いなくなってしまって、それなりに時が過ぎた。






出来の悪い弟は、思う。






もっと、兄弟喧嘩をしておけば良かったのかな。





 

 

 

 






たくさん喧嘩をしておきなさい。

いつか、望んでもできなくなってしまう日が来てしまうから。

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