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【エピローグ】タックンは泣いた。

弟(現世)視点です

俺は泣いた。


地雷系女子の姉貴が事故の昏睡から目覚めた。

無人トラックの事故。何か良い事でもあったのか大量のブランド肉を買った帰り道だった様だが、野良猫にでも食われたのか肉の包み紙だけが姉貴と一緒に転がっていた。無事に帰っていれば俺も少しは分け前があったかもしれないのに残念だ。


奇跡的にも外傷は全く無かったが脳にダメージが残ったらしく家族の殆どの記憶をなくし、言葉もたどたどしく、どこかぎこちない表情の姉貴は元々の顔の良さも相まって、可憐で健気な「知らないキレイなお姉さん」に見える。


ちっちゃな頃から壁を乗り越え海に飛び込み一緒に近所に落書きして廻るような、破天荒でやんちゃで勝ち気な姉貴の表情しか知らなかった俺は戸惑っていた。でも


「昔公園で一緒に遊んだよね…たしかタッくんだっけ?…お姉さんがそう呼んでたね…」


と、俺の事だけは昔の呼び方で覚えていてくれた。


「お姉さんって柄じゃないだろ!そうだよお前の弟のタックンだよ!バカ姉貴しっかりしろよな。」


笑いながら号泣する俺に、本人は戸惑った表情だ。



姉貴はまだ事故にあって日も浅いというのに本人の強い希望で、すぐに大学に戻った。今は元気に通っている。


「また同じ学校に通えるなんて嬉しい」


と涙ぐんで喜んでいた。あの勉強嫌いだった姉貴の口からそんな言葉が出るなんて意外だった。


すっかり変わってしまった姉の今後の交遊関係が心配だったが

派手な髪色の美女3人組によく絡まれて迷惑そうにしつつも満更でもない様子で楽しそうだ。


たまに無性に昔の破天荒な姉貴が懐かしく感じる事もある。

記憶を無くしたせいか、姉は俺達に対してどこか仲の良いご近所さんに対するみたいな遠慮を見せるのが少し寂しくて、俺はまたちょっと泣いた。


でも今の真面目な姉貴も悪くない。以前と違って大学ではモテてモテて大変らしく、時々気苦労でぐったりしている姿はちょっと笑える。

両親も、例え家族の事を覚えてなくても、ただ毎日姉貴が楽しく生きていてくれればもうそれだけで良いと笑っていた。


俺も心から姉の幸せを願っている。

これにて完結です。無事最後まで駆け抜けることができてホッとしてます。

お付き合いいただきありがとうございました。


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