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困った元家庭教師の弟子

(主人公に心折られた学者)の弟子視点です。

スッゴク困ってる


師匠が意味わかんない。

研究資金稼ぎにって王都から出て行ったっきり予定の期限が過ぎても帰ってこない。最後に来た手紙も意味わかんない。僕あの人に教わるためわざわざ留学してきたのに


「もう人に物を教えるなんて恥ずかしくて出来ない、きっとお前も無知を装って私を嘲笑っている。」って言ってる。


そんなこと無いよー。留学すごくお金かかるよー。


「ウサギとかフワフワした物と触れ合いたい」って。


何だろう?鬱?


あの辺は寒いって聞いてるし、フワフワした生き物多いだけど。日照時間とかの関係で鬱っぽくなりやすい気候?多分そう?


他にも優秀な学者達の若いのも年寄りのも帰ってこない人多い。みんな隠居する、フワフワと生きるって言ってる。怖い。

最近あの辺の貴族の間で結構大きな揉め事があったって噂になってるし心配してる。みんな人間不信になってる。きっと鬱。


そんな感じでやきもきしてたら、言語の先生の所にそこの領主の息子さん来たって。困るよー。言語の先生まで連れてかれたら。師匠も気になるし、王都にいても仕方ないからもう僕も領地に行くことにした。僕も協力しますって言ったら馬車に乗せてもらえてお金が浮いた。助かる。


領地に到着すると僕はその辺の子供を捕まえて、「そこそこの身なりでフワフワした物と一緒に人を避ける様な生活してる人」がいないか聞いてみたら山の中まで色々案内してくれた。知ってる人知らない人も結構いたし師匠もちゃんと見つけた。子供すごいよー。


で、やっぱりそしたらもうひどいの。この国で学者やってるのなんか実家の太いボンボンばっかだからみんな山暮らしなんかしたこと無い、全然ダメ。ジメジメしたとこでじっとして栄養ちゃんと食べれてないだから全然良くならない。かろうじて畑つくってた植物学者の家にみんな集めて並べて日光浴させてから鳥も捌いて色々食べさせた。弱ってる人間は群れて暮らさねばダメ、すぐに自分を粗末にする。


急に山の中に増えた変な大人達が無害だとわかると、避けられていた山の中はまた子供達のテリトリーに戻った。しょっちゅう覗きに来るし、ダメな大人の生活力のなさを見かねて子供達が食料や物資を色々都合してくれるようになった。子供優しい。


ダメな大人も子供に貰いっぱなしは気まずいみたいで、元気になった人から段々とこの辺の山村や教会で手習いを教えるようになった。最近開発とか活発なとこみたいで教育の需要高くて大人も来てる。ダメな大人も馴染んできた。みんな嬉しいね。


素直な子供達と関わって、人の良い住民にあっちこっちひっぱりまわされる間に師匠も調子が戻ってきた。ぽっつりぽっつり僕への指導もするようになって、留学の目的も無事果たせそう。あーひと安心。


寒いのも魔法でなんとかなるし、物価もそこそこで王都にいるより暮らしやすいかも。大体優秀な先生方揃ってるし、今後知り合いが留学するならここを薦めようそうしよう。僕は早速母国に「お得に留学オススメの地」と銘打って手紙を送った。


もう少し続きます。


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