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第1章「新学期①」

「昨夜10時ごろ、東京都中央区にある銀行で、魔法使いと思われる者が銀行に侵入し、

時価数十億円はくだらないピンクダイヤモンドを奪い逃走しました。

警視庁丸の内署が強盗事件として捜査しています。逃走した者の特徴は・・・」

 深刻な面持ちでキャスターがニュースを読み終わったところで、如何にもデキる人間オーラを放ってるキャストが口を開いた。

「なぜ魔法使いはこのような事ばかりをするのでしょうか。私にはわかりません。」

当たり障りの無いコメントで、芸能界を生きる為の印象に残らない華麗なコメントであった。

 隣に座っていた1世代前に流行った様な坊主頭に剃り込みを入れ、スタジオにも関わらず太陽が眩しいのかサングラスを掛けたゲストは

当たり障りのないコメントが気に食わないらしいく、苛立ちを見せながら口を開き

「わかりませんじゃないんだよ。問題なのは魔法というのは存在は悪なんだよ。

わかるか?お前みたいな奴にはわからねぇかもしれねぇな」


 朝どころか一日中テレビには不向きなコメントを残して、慌てて次の話題を貼り直すアナウンサーを横目で流しながら朝食をとっていた。

 この世界には当たり前の様に「魔法」が存在しており、悪い人間が得る禁忌であるとかのように扱われている。

 遠い昔から人間は魔法使いに物や金、家族まで奪われ、まるで倉庫の様に都合の良い扱いをされてきた。

現代では義務教育の印象操作により世間からは嫌われ、疎まれる存在ながら彼らは絶滅もせず繁栄もしなかった。


 魔法使いは稀に出現し、後天的な病気のような物で最初は普通の人として生まれる。

1歳頃に、目の虹彩の色が赤や青など様々な色に変色し、眼球全体が金粉を塗したかのようにキラキラと輝く。

この目の変化が魔力による変異であると言われ、魔力が発現した子どもは <普通> の子どもではなく <魔物> の子どもとして扱われる。

 魔力持った者は、戸籍も剥奪され我が子を殺める事が、世界の為であると世間の暗黙の了解となっていた。

もし、子どもが魔法使いだと分かると、昨日まで優しかった隣人達も汚物を見るかの様な目を向け、家を焼かれた者、家族を殺された者も少なくない。

そのまま育てていては、いつ家族に身の危険が及ぶかも分からない。

 自分の子を手にかける事が出来なかった親が生きて行く為に頼みの綱となっていたのが、人権派の権力者の家や寺・神社に置き去り、我が子を捨てる事だった。


「魔法使いか……自分には関係ないな」

 ボソボソと呟きながら食パンを食べている太一は、ホットミルクを啜り口の中に行きわたらせたところで、手早く残りのパンを口にしまい水分で胃に押し込める。

テーブルを立ち、そそくさと学校に行く準備を始める。


 「こら!たいちゃん。食器は下げなさいっていつもいってるでしょう?」

母親はぷりぷりと朝から太一に注意しながらも、自分の食器と一緒に下げてくれている。

 ごめーん、と軽く申し訳無さそうにして、太一は学校に行く準備を終え、そそくさと靴を履き玄関先に止めてある自転車に跨った。

閲覧いただきありがとうございます。


これより、本編開始いたします!

面白い小説とは何だろうと考えながら、遅筆ですが完結させたいと思っています。

温かい目で見守っていただけると幸いです。


書き方のコメントや、ご感想いただけましたら大変うれしいです!

次回の更新は、7/1(水)の夜に更新させていただきます。


どうぞよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして! 秋真と申します。 活動報告から参りました。 現代風な世界に魔法が存在している、という設定が拙作と同じでしたのでシンパシー感じて拝読させて頂き、感想を書きました。 おみくじの…
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