プロローグ②「不思議な少女とおみくじ」
本殿を向かって右側におみくじとお守りの授与処があり、1人の少女が番をしていた。
目があった瞬間、目を逸らされた。
まぁ、見た目は中学生みたいな子だしそんなもんだろうと、
少しの淡い期待は音速で彼方へ飛んで行った。
「あっ……あの」
少し心に傷が付いていたようで、うまく言葉が出なかった。
少女ともう一度目があった。
目が合った瞬間、少女の目はまるで幾億もの銀河が閉じ込められたかの様に煌めき、気を抜けば吸い込まれるのではないか思ってしまう位に魅力的だった。
「はい、いか……しょう?」
少し上の空だったので、風に消えそうな細い声はあまり聞き取れなかった。
「すみません、絶対にあたるおみくじを8回下さい」
少女は途端に目を見開き、おっかなびっくりな声で聞き返してきた。
「はっ……8回……ですか?」
なぜか聞き返されたが、財布に800円しか入ってなかったからだった。
本当は10回引きたかった。
「絶対にあたるおみくじ8回ですので、800円お納め下さい」
100円玉を8枚並べ、おみくじ筒を手に取り番号が出で来る穴を指で塞ぎ、両手で左右に筒を振った。
少し斜めにして抑えていた穴から指を離した。
指を離すと、二十四番と墨で書かれた竹棒がでできた。
「二十四番、おねがいします」
おみくじはまだ受け取らず、そのまま残り7回引いた。
おみくじを引いている間、少女は不思議な人を見る目で僕を眺めているようだった。
「良いお参りでした」
少女が束になったおみくじを丸めて渡してくれた。
普段からおみくじは好んで引くことは多いが、1度に8回引いたのは初めてかも知れない。
「ありがとうございました」
軽く少女に会釈をして、授与所を数歩離れた所で部活の命運がかかった結果確認に入った。
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