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バスジャックには落ち着きが必要だった。

作者: 華月乱夢
掲載日:2018/12/30


12月の肌寒い日、私、山口はバス停の前で、小説を読みながらバスを待っていた。


私は昔から変な子だと言われここまで28年間生活してきた。

私は自分に変な所があるとすれば、それは30分は瞬きしないでいられる事位しか無いと思う。

そんな事を考えながら小説を読んでいると、バスが来た。


私「料金は前払いか?」

運転手に問う

運転手「…いえ…後払いです。」


やけに緊張した顔をしている。

初めての仕事なのだろうか。いや年は30代後半といった所か?

要らない詮索を頭の中でしてしまう。


運転手だけではなかった。車内全体がピリピリとした雰囲気で、余り落ち着いて小説を読める空間では無さそうだった。

後ろの方の席が空いている。

座ろうと歩くと、急に腕を強く掴まれた。


私「?」

若者「動くな、死にたく無いだろ?」

見ればナイフと拳銃を持った若者が私の腕を掴んでいた。


しかし若者の顔がひきつっていた。これじゃ人を殺すのは無理だろう。そう思った。


若者は冷静な私を見て、こめかみに拳銃を突き付けてきた。


若者「おら!死にたくないだろ!」


小説を読みたいのだが…


バスジャックだろうか、警察に電話をするか。

そう思い、携帯を取り出す。昔ならではのガラケーだ。


若者「ちょっ(汗)あんた何しようとしてんの⁉」


私「いや、警察に電話しようと。」


若者「はぁっ?!いやこの武器本物だぞ!」


私「あぁ、まぁ別に良いのだが」


若者「いやおっさん頭イカれてんの?!」


私「28はおっさんではない!!!お兄さんだ!!」


謎の会話が続く。正直早く小説を読みたい。


バスは走行中だ、外からはこの状況は見えないだろう。


若者が喚き散らす。


どうしたものか…早く小説の犯人を知りたいのだが…


若者「今から、M高校に突っ込め!」


車内がざわめく

突然過ぎる。情緒不安定なのか。

私「何故だ?」


若者「俺を落としたあの高校が悪い!!学歴のせいで仕事ができないのも!友達が居ないのも!顔が悪いのも!」


いや最後のは高校のせいじゃ無いだろ。どさくさに紛れて何を言う。

言いかけたが止める。火に油を注ぐような物だ。


M高校が見える。近い。


警察は来ただろうか。さっき他の乗客の一人がこっそり電話したのを見た。


電話について聞く。


女「はい?」


私「警察に電話したんじゃないのか?」


女「あ、夫にトイレットペーパー買ってきて来てって連絡です。まぎわらしくてスイマセン」


車内一同「はぁ!?」


車内の乗客私を除く全員が女性に目線でブーイングを浴びせる。


話にならない、平和ボケとは良い物だ。


いっそ諦めて小説でも読むか、そう思い、床に置いていたカバンを見る。


無い。


頭が真っ白になる。


若者が乗客の荷物を車内から捨てている。


瞬間、私は若者の顔面を殴り、武器を奪い車内から道路に叩き出していた。


若者「こんにゃろー‼(怒)」


お前に怒鳴られても怖くない。

乗客から歓声が上がる。

正当防衛で通るだろうか。


若者が発砲してきた。

前言撤回。こういう連中は怒り出すと何をしでかすか分からない。

仕方なく発砲音に気絶した運転手の代わりにバスを走らせる。


若者は必死で走るが、当然バスには追い付けない。


バスを走らせ自分のカバンだけ回収し、その足で警察に向かった。


私は運転免許を持っていないがまぁ今回は許して貰えるだろうと思ったが、しっかりと罰金は取られた。


若者は逮捕され、私の読んでいた小説も帰ってきた。

間抜けな犯人も居たもんだ。

そう思い、本のページをめくる。

拳銃を乱射する犯人を追い詰める場面だった。


ここにも間抜けな犯人は居たのだな。


ーENDー

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