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性格を知っていれば、目に見えていた結果


「そうか……。お互いに納得済みなら、まぁ、別にそれで問題も無いんだろうな。結婚式は?するつもりで居てるんだろ?」


「うん、今年中に籍を入れる予定で結婚式は来年の春辺りになるかな。時期はまだ未定だけど。」


「来年か……。来年中でもそれ以降でも2人のタイミングで良いとは思うが、お披露目の為にも式は挙げた方が良いな。2人で住む場所は大体決めてるのか?」


「僕の今の家の付近でもう探していて、良さそうな賃貸物件を2件程キープして貰ったりしてるよ。住む場所も何もかも僕達自身で早めに決めるから、問題無いし迷惑も掛けないよ。」


「……まぁ、慌てる必要は何も無いから追々決めていったら良い。2人でな。」


「うん……。結婚式の予定も入籍の日も父さんには全く関係の無い事だから。日程が決まったらまた連絡するけど、それまでは一切関わらないで欲しい。」


「全く関係無い事は無いだろ。口出しをする気は無いが祝福するし、言ってくれたら出来る事はするつもりでいる。」


「父さんは母さんとの結婚に失敗してる。だから、結婚に関する事、夫婦生活に口を出されてもまるで説得力が無い。僕達の事は僕達で決めて2人で生活をしていくつもりだから、口も手も出さずに放置しておいてくれたら良い。」


「……。」



コウイチさんにとっては至極正論なのかもしれない素直な気持ちは、躊躇する間も無く、鋭い刃となってタダオさんを切り付けたように感じました。



父親に対する思い遣りの気持ちが全く感じられないコウイチさんの冷たい言葉を受けたタダオさんは黙り込んでしまい、会話が途切れてしまったこの有り様を目の当たりにした私の心の中は、あぁやっぱり……と言う気持ちでいっぱいになり頭を抱えたくなりました。





どうしてそんな言い方をするんだろう?言われる相手の気持ちを考えたら、そんな物言いにはならないでしょう?離婚をした事に関して、タダオさんが傷付いていないとでも思っているの?癒えていない筈の心の傷を抉るような言葉を吐くのはどうして?

離婚せざるを得なくなったのはタダオさんとナツミさんの御二人にしか解らない事であって、本来口出しすべき事でも無いし、今この場面で、終わった事実を話して責める必要はあるの?わざわざ相手を攻撃するような発言をする意味があると思っているの?




玄関前での不穏な予感が現実のものとなってしまった事を痛感していました。




ついさっきまでは、あんなに会話が弾んでいたのに。





タダオさんに何か言葉を掛ける事も、コウイチさんの非情な言い様を諌める事も出来ずに、息が詰まりそうな空間に身を置いていると



「コウ君、そんな物言いをしなくても良いでしょうよ。」



4人分のお茶が載ったお盆をしっかりと両手で持って現れたサチさんが助け舟を出してくれました。




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