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AI結婚

初挑戦のSFショートジャンルです!!

時は20xx年。

この時代では空飛ぶ車が、なんてことは無いのだが、それなりに医療や技術、そして科学は進歩してきた。

そしてこの時代を語る上で特筆すべき点が1つ。

ーAI結婚制度ー

という物が制度として存在するのだ。


この制度が施行された背景として、世界的な人口爆発が要因としてあげられるのだ。

人口爆発は世界各地でエネルギーや食糧問題を引き起こした、半世紀前には食糧戦争も勃発した。

そうした流れを受け、国際会議を経て、全世界でこのAI結婚制度が成立したのだ。


この制度はズバリAI、人工知能との結婚を認めるという物だ。

戸籍上は既婚者扱いとなり、社会制度においての適用内になる。

それだけではなく、AIを個人的に財産とするだけではなく、子孫代わりに新たなAIの開発を行う事が出来る、対象者の性格や特徴を反映した、まさに「我が子」のような存在で。

この制度のメリットはやはり社会においての立場を明確に出来る。

既婚者の子孫持ちとなると、企業はなかなかリストラにすることが出来ないし、既婚者が受けられる待遇を手にする事ができる、それも実際の結婚式や子育て費用などがかからないわけだから金銭的に大きい、子孫であるAIがなにか大きな発明をするの可能性だってある。

理論的に反して、感情で物事を図るとこの制度はデメリットに繋がる。

やはりパーソナル部分が精神に語りかける部分は多い、子育てが育む道徳感や責任感、交際活動による肉体的快楽。どうしたってAIにそれを理解するプログラムは搭載されていない。


この制度は施行から物議を醸してきた。

AIによって世界が侵略される可能性を危惧する者や、文明発展の妨げになりかねないと、警鐘を鳴らす者が列をなした。

それでも、人口爆発に対する効果的な対策案を提示出来る者がいなかったのも事実で、この制度は施行された。

実際与えた影響は人口減少、科学データサンプルの収集が進む事によってさらなる開発に役立った事などがある。

しかし、若者の「SEX離れ」も深刻である。

巷で行われた調査で「交際に肉体関係は必要か」という質問の半分以上が”NO”と答えた、学校教育でも性教育は除外される傾向にあり、これではいつか来る人口過少にどう対応出来るのだろうか。

現在の結婚相場はAI結婚が3割ほどだが、今後は更なる増加が見込まれる。

結婚に対する価値観の変遷は来たる次世代にどのような影響を及ぼすのか、今一度一人一人に考えてもらいたいものだ。


「博士、お疲れではありませんか?」

助手であり、妻のガルシアだ。

「ああ、もう少しで完成しそうだ。」

そう、前述のAI結婚。

これは私が発明したゲームの物語だ。

引きこもりや、社会不適合者に向けたPCゲームなどを制作しており、今回の作品はそうした者たちに「愛」について考えてもらいたく制作した次第だ。

研究に没頭しがちだった私は真実の愛を知った、彼らにも知る権利がある筈だ。


「博士、私は貴方を愛しています。」

私のフィアンセであるガルシアの声は無機質に、PCスピーカー越しに研究室にこだまするのであった。

結婚とは...

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