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第7話 思うことは簡単、実行は難しい

真帆に自分の気持ちを伝えようとするが鶴華のから想いも知らない真実を知らされた。そして柚子は本格的に動き出した…

今日、龍夜が真帆さんに思いを伝える日だ。


となりのクラスに行ってみた。


どうやらちょうど帰るところだったみたいでなんとかつかまえることができた。


「真帆さん、だよね?」


「はい、僕が真帆ですがあなたは確かオカ研の鶴子さん?」


「惜しい、鶴華ね。」


「そうかごめん、で何のようですか?」


「えっとね、ちょっと話があるから、オカ研室に来てくれない?」


「えっ?今から?」


「そう今から。」


「えーでも僕忙しいから、」


「龍夜くんのことについて話がある。」


「今なんて?龍夜くんのことについて?」


「う、うん。」


「わかった。」


少し強めな口調で真帆は私に返事した。


そして私と真帆はオカ研室に向かった。


行くまでの間私たちに会話はなく真帆急ぎ足で行くかのように早歩きだった。


そして教室に着いた。


オカ研室は週で1回使うくらいだったのでちょっと埃っぽい感じはあった。


真帆は奥まで行き私はその正面に立つような位置に行った。


「それで龍夜くんのなんについての話?」


「あのさぁ、もう龍夜くんに嫌がらせするの辞めたら?」


「え?なんで?」


「龍夜くん迷惑してるって言ってたから。」


「そんなの嘘だ!」


「はぁ?」


突然の言葉に少しびっくりしたが私も負けじと言い返した。


「なにを言ってるだ。なんで嘘をつかなくちゃならないんだよ。」


「だから、そんなの君の妄想だろ?」


本当にこの女はなにを言ってるんだ?


さっきから言っている意味がわからない。


「それに君も龍夜くんが好きなんだろ?」


「はぁ?ちょっと待っ、どうしてそう思った?」


「だってそうでしょう、好きな人に他の女が近づいて欲しくないからこうやって呼び出したんだろ?」


「私はべ、別に龍夜くんが好きとかそ、そんなじゃあな、な、ないから。」


「動揺が隠せてないみたいだけど。」


「動揺なんてしてない。」


「あとさあ自分の気持ちに正直になったことある?」


「ん?」


「僕にとっては龍夜くんが初めて好きになった男子なんだ。」


真帆は私が言葉を言う前に続けて言ったのに


「でも初めてって大変なんだよ、どうしたらいいかわからないんだよ。」


「だから僕はああしたのさ。僕なりの愛情表現なんだよ。」


「それにこれはチャンスなんだ。」


チャンス?どういうことだ?


「あの天水とかいう女がいない今、龍夜くんを手に入れるチャンスなんだよ。」


「あのビッチ女がいなく、」


「天水ちゃんを馬鹿にするな!」


「私の大切な友達、いや、親友を!」


「…」


「それに私は…」


突然教室のドアが開いた、でもそれに気づかず続いて叫んだ。


「鶴華すまん遅れ、」


「私は龍夜くんが好きだあぁぁぁぁ!」


「!?」


「ウソ…なんで…今…」


最悪だった。


今すぐにでも撤回したかった…でもできなかった。


私は教室を飛び出した。


後ろから龍夜が呼び止める声が聞こえたが止まらずに走った。


その場にいるのが辛かった、苦しかった。


だから走った。


走っていると急に腕を掴まれて


「鶴ちゃん!」


と私を呼ぶ声がした。


でもこの声は龍夜くんの声じゃあない。


「天水…ちゃん…?」


「鶴ちゃんちょっといい?」


「…ごめん。」


天水がいることに疑問を持つことはなかった。


でも顔を見ることはできなかった。


あんなことがあった後だったから…


私はすぐにでも立ち去ろうとした。


すると天水は私の腕を掴むと近くの教室に連れ込んだ。


「あのね鶴ちゃん私ねさっきの会話が聞こえてきてね、ちょっと話したいなって思ったの。」


「そっか、聞かれちゃってたか。」


「うん、ごめんね。」


「ううん、ごめんはこっちだよ、友達としてしてはいけないことをしてしまったから。」


「え…?」


「だからもう私に関わらない方がいい、それじゃあ、さよなら。」


「だから待って、私の話を聞いて。」


1秒でも早くこの教室から出たかった、でも天水の聞いたことのないような強い声に私はその場から動けなかった。


「私ね、嬉しかった。」


「え…どういうこと?」


「私さ、もう死んでるのに無理やりこっちに来たでしょ。」


「うん。」


「だからね、いつみんなとお別れすることになるかわからないじゃん。」


「そんなこと言わないで、いつまでも一緒にいよ…でも私が言える立場じゃあないか。」


「いつまで一緒は、無理かな。」


「…」


「でも鶴ちゃんのあの心からの叫びを聞いて、私、安心した。」


「私がここからいなくなってもりょうくんのことを思ってくれる人がいてよかった。」


「…」


「それにね、私、鶴ちゃんの本当の気持ちを知って、ムカつくとか、どうしてとか、親友だと思ってたのに、とか思わなかった。」


「なんで?」


「なんでだろ、もう人間じゃあないからかな。」


私は天水の話に言葉が出てこなかった。


「私ね、思うんだよ、一度でもその人のことが好きだって思ったらもう好きになっちゃうだよ。」


「後ね、前鶴ちゃんのが言ってたこと覚えてる?」


「何?」


「龍夜くんを好きになることはないってね。」


「確かに言った気がする、その時は顔が好みじゃあないって言って誤魔化したけど。」


「多分ね、好きになった人は自然とかっこよくも可愛くも見えてくるもんなんだよ。」


「だから今はりょうくんに対しての思いは違うと思う、心から好きだと思う。」


「それに、好きだって気持ちを隠すのは普通のことだと思う。」


「真帆さんみたいに積極的に自分の気持ちを伝えようとする人もいるけど、そっちの方が難しいと思う。」


「だからさ、私がいなくなった後はりょうくんことを助けてあげてね、辛そうだったら守ってあげてね。」


そういうと天水は私をぎゅっと抱きしめた。


その時天水の目からは涙が出ていた。


私の目からも涙が出ていた。


少ししてから私決めた。


「ねえ天水ちゃん。」


「龍夜くん呼んできてくれる、校舎裏の木の下に。」


「任せて!」


天水のお陰で気持ちが変わった。


伝えようこの気持ち。


「私もがんばろ!」


………


「り……や…」


うんなんだ?


「りょう…や…」


「龍夜!起きろって!」


「ぼわぁなんだ!」


おいもう昼休みだぞ、何してんだ。」


「あーすまん順。」


「お前やばすぎだろ、ちゃんと寝てるんか?」


「いや夜更かしは日課やから。」


「おいおい笑。」


「それより天水は?」


「いつもう通り大賑わいだよ。」


実は俺が真帆と話をした日、鶴華から告られた。


まあそれは置いといて俺が鶴華の所に行った時天水を1人にしてしまった。


そして事件は起きた。


天水から聞いた話によると俺が行ってからすぐ家に帰ろうとしたところ、俺らの担任(天水の元担任)に見つかってしまった。


天水が人間近い色あいそして制服だったお陰でその時はそれまで騒ぎにはならなかったが、やっぱり死人が目の前にいるなんて誰も信じられることじゃあない。


結局騒ぎになってしまった。


でも世間に公表されるのは良くないというのは学校側も理解できたようでこの学校だけの秘密、のはずだが少し心配だ。


いつ誰がネットにあげるか分からないからな、あーネット社会って恐ろし。


そして今は普通に学校生活を送っている。


ちなみに俺の家にいるのは今も変わらないが、流石に事情が事情なので俺は週末に天水と一緒に天水のご両親の家に行くことになった。


「あーお前週末雨音さんの家行くんだろ大丈夫か?」


「大丈夫なわけないだろ緊張と心配でわけわからん感情が出てきて余計に眠れない。」


「だろうな、めっちゃ顔が疲れてる感じだもん。」


「本当だよ。」


「それよりもうすぐ夏休みだけどさみんな集めてどっか行かん?」


「陰キャのお前が言うか?笑」


「いやなんか聖地巡礼とかしたくない?」


「あー聖地巡礼か、良さそうだな。あっでも天水が…」


「わいに任せときちょっといい雨音さんが外を出歩けるいい方法を思いついたんや。」


「なになに?」


「まあおいおい教えたるは。」


「うい、でも今は週末のことだな。」


「頑張れよ!」


「うい。」


さぁまだまだ忙しい日は続きそうだな。

どうもイヴです。更新頻度が上がりましたがこれからも1週間に1本あげられたらなと思います。どうぞよろしくお願いします。

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