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第25話 「静かだ」

「どこへ、行ったんだ」


いつぶりだろうこんなに必死に走っているのは。

色々あった1年はハッピーエンドでは終わってくれなかった。

また、天水が消えた。


「明日は卒業式だね」


「来年は俺らもだな」


時の流れは早くあっという間に3月

卒業シーズンだ。

俺はそこまで仲のいい先輩はいないので特に悲しいといった感情はないが他のみんなは違うようだ。

そして憧れの先輩に告白を考えている生徒を多く見かけるようになった。


「りょうくんは先輩方がきらいなの?」


「どうしてそう思うんだ?」


「だってあんまりいい言い方しないじゃん。特に特定の先輩にはキツイよね陰口」


「まぁ、小さい頃嫌なことされた先輩の人顔は今でも忘れてないかな、中学の時は卒業式でその先輩が泣いてたから滑稽だった」


「そんなこと言っちゃいけないよ」


「すまんすまん。まぁそれだけ嫌なことをされたということだよ」


昔といっても小学生の頃。

2上の先輩に仲のいい人がいてその人とよく遊んでいた。

ある日、その先輩の友達が急に名前のことをからかってきた。

最初は何となく対応していたがそのうち面倒になって「辞めて」と言った。

ただその時から嫌が始まった。

小学生にいる間は学年が違うどう出会ってしまったら最後嫌がらせされた。

中学の時は学校の方針で他学年と接触する機会が少なかったので多少は良かった。

そして卒業式、俺は笑った。


「俺も所詮人間だな、人の悲しみを笑う最低だよな。でも体は正直だ、そして心も、気付けば手が、足が、体が動いている。これは止められない」


「私は人間じゃあないけどね。だから心で体で動けるのが羨ましいよ」


「ごめん天水、そんなつもりじゃなかったんだ。天水は俺の中では数少ない人間らしい人間の1人だよ」


「本当に?」


「ああ、お前はもう立派な人間だよ」


「ありがとうじゃあ明日は準備で早く行かなきゃだから早く帰ろっか」


「もう夕日も真っ赤だしな」


赤く染まる夕日を背に俺と天水は帰宅した。


………


ピカー


卒業式が終わり春休み間近の土曜日

朝起きると急に指輪から光が放たれた。

その光は壁をすり抜け動かしても常に同じ方向に伸びている。


「この指輪にこんな効果あったのか?なあ天水」


不思議に思い天水にも聞いてみる。

返事がない。


「天水?」


隣を見ると天水がいない。

何度目だろう、消えたりいなくなったりするのは。

そしてなんとなく光の意味が分かった。


(これが唯一の鍵か)


俺は一目散に駆け出し、光のさす方へ走った。


だが数分追いかけてもその光が途絶えることはない。


(終わりはどこなんだ)


息も苦しい。

こんなに走るのは久しぶりだ。

気がつけば、夏に来た墓地の前に着いていた。


「ここに天水が?でも行くしかない」


以前天水が消えた時のように暗く濃い霧が出ていた。

正直前以上に怖かった。

その場の雰囲気というよりは、天水が戻ってこないのではないかという恐怖が。


(本当に暗いな、ライトライト)


普段から装備しているライトを取り出しあまり良くない気がするが周りを照らした。

道は見えるようになったが視界の悪さは変わらない。


(さっきよりまだましか)


さっきより薄くなった指輪から出る光をライトで足元を照らしながら追った。


「………くん」


微かに何かが聴こえてきた。


「り…うくん」


前に進むにつれその声ははっきりと聴こえるようになった。


「りょうくん」


それは何度も聴いた声、そう天水の声だ。


「天水どこだ!」


名前を呼ぶと目の前に2つの道が現れた。

どっちだどっちなんだ。


「りょうくん」

「りょうくん」


指輪から出る光も2つに分かれている。

どちらの道からも声が聴こえる。

俺は何かないか必死でライトを照らし何かないか探した。


(待ってろ、今行く)

どうも、眠すぎて小説を書こうとしても寝落ちしてしまうイヴです。

25話読んでいただきありがとうございます。

次回も読んでいただけると嬉しいです。

以上イヴでした。

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