第20話 「俺と…」
明日は俺にとって人生史上最も大切な日だ。
その理由は、まあ当日までのお楽しみだ。
って誰に話してるんだろ俺。
緊張で、ちょっとおかしくなってるな。
それより、明日の計画の予習をしておこう。
「わあ〜い、いつにいつに来ったぞ〜フェイドリ〜」
今日はクリスマスイヴ
いつもより興奮気味の天水は俺の手を早く早くと引っ張っている。
少し子供っぽい所があるが、そんな天水の姿もすごく可愛い。
でも本当に来たことなかったんだな。
「待て待て、そんなに焦っても遊園地は逃げないから」
「そうだけど、早く色々乗ってみたいから」
「わかった、わかってじゃあ早く入場口行くぞ」
俺たちは、入場口に向かった。
………
すごく楽しい。
生まれて初めて遊園地に来た。
それも大好きな人とだ。
「色々あるな〜」
「結構広いんだね。早く乗ろりょうくん」
1度死んだ私。
いろんな人をおいていろんな人を悲しませてしまった。
そして幽霊として戻ってきた私。
2度目の人生で私の事を見る事が出来たのはりょうくんただ1人だけだった。
不安しかなかった。
怖がられんじゃないのか、嫌われるんじゃないか。
でも、りょうくんはこんな私を受けいれてくれた。
付き合って少ししか経ってなかったのに、それでも私のことを好きでいてくれた。
大切に思ってくれていた。
「ちょっと待って、天水早い」
「ほらほら、頑張ってついて来て」
それから、いろんな人にも見られるようになった。
親友、友達、両親。
みんなりょうくんと同じように幽霊の私を受け入れてくれた。
ちょっとした、問題も起きたけど。
2度目の人生は楽しいことだらけだった。
私ばっかりこんなに幸せになっていいのかなって思うくらい。
「人多いけど思ったより乗れるね」
「まあすぐ乗れるようのパス買ったからね」
「え、それって高かったんじゃ」
「お金のことは気にしなくていいそれに」
「それに?」
「ずっと黙ってたけど俺今日のために色々バイトしてたんだ」
だから、最近いなかったのか。
でも短期間でそんなに溜まるものなのかな。
私はバイトしたことないからわからないけど。
でも…
「ごめんな、ずっと構ってやれなくて」
「うんん、大丈夫。ありがとうりょうくん」
「ああ、だから今日は目一杯楽しもう」
「うん。けどそろそろお昼だしりょうくんお腹空かない?」
私は幽霊なので何も食べなくてもいいけど、ずっと走ってついて来てくれたりょうくんは大丈夫だろうか?
ぐ〜
「あっ」
「やっぱり。どこか食べに行こ」
「いいよ、そこら辺でポップコーンかチキンでも買って食うから」
「ダメだよ。午後がもたないよ」
「天水、本当に大丈夫だから。それに今日は天水の誕生日だろ。本人が楽しまなくちゃ」
「そうだけど…」
りょうくんは近くのワゴンまで行きチキンを買って食べだした。
そしてそれをすぐに食べ終えた。
それから午後も色々回り楽しい1日なった。
後パレードだけか。
楽しい時間があっという間に過ぎ寂しい気もするがでもよかった。
「今日はありがとうりょうくん‼︎」
「どうした急に!?いや、どういたしまして」
………
いよいよその時が近づいてきた。
現在今日1番の最大イベントのクリスマスパレードが目の前で行われている。
天水もそして実は俺も初めて見るパレードに感動していた。
夜の世界に広がるその光り輝く列は、別世界のものに見える。
「綺麗だね」
「綺麗だな」
楽しい1日はあっという間に過ぎていく。
よく言われることであり沢山の人が共感できることだと思う。
例にもれずパレードもあっという間に終わってしまった。
そしてついに俺にとって人生を左右する瞬間がきた。
「天水ちょっといいか」
「なに、りょうくん?」
俺はこの遊園地の中央にある城の前まで連れて行った。
昼間とは違った、綺麗さがあるその城は絶好の場所だ。
運命の場所には。
「実はな大切な話があってな」
「うん」
「昔な天水が話してた事を聞いたことがあってな」
「私なにかあったかな」
「それで俺はずっと、今日までそれを叶えるために頑張ってきた。なんか気持ち悪い言い回ししかできなくてごめん、俺語彙力とかないからさ」
「うん」
「高校生の俺がこんな事を言うのは世間はいいように思わないかもしれない。でも、目の前にいる大事な人が大好きな人が幸せが俺にとっての1番幸せだ」
「…」
これはカバンから小さな箱を取り出し、それを開いた。
そして…
「雨音天水さん。僕と結婚しで下さい」
ついに言った後は返事を待つのみだ。
もしこれで振られたら諦めるしかない。
数分の沈黙の後天水の口が開いた。
「不束者ですが、よろしくお願いします」
………
俺がプロポーズしてから1日がだった朝。
近くのホテルで目が覚めた。
昨日の夜は急に雪が降り、電車も止まってしまったのでやむ終えずホテルに泊まった。
もちろん普通のビジネスホテルにだ。
「おはよう、りょうくん」
「おはよう天水」
俺たちはホテルで朝食をとり朝の電車に乗り家に帰った。
それから家に着いた俺たちは、今後に着いて話すことにした。
「俺はまだ結婚的年齢に達していない。だから6月の誕生日まで待ってほしい」
「うん、私頑張って生きるね」
「すまない俺の事情で」
「いいよ、私いいお嫁さんになれるようそれまで花嫁修行頑張るから」
「俺もいい旦那になれるように頑張るよ。あっとそうだ」
俺は天水の両親から預かっていた誕生日プレゼントを天水に渡した。
そして、プレゼントを預かった経緯と両親の許可について話した。
実は、先月天水の両親の家を訪ねた時、天水が家で1人でいる時に呟いた事を話した。
それから結婚というのを意識するようになった。
その時、『天水がいいといえば結婚を許す。ただし断れば分かっているな』と。
「そうなんだ」
「でも、あいさつにはいくぞ」
「は〜い」
「りょうくん」
「どうしっん」
不意にキスをされた。
どうもイヴデース。20話読んでいただきありがとうございマース。
今回ついにプロポーズをしました。いえ僕じゃあないですよ。そんなの分かってるて?すみません。
そんな事より自分の初小説はついに20話になりました。
1話から読んでくれている皆さまいつもありがとうございます。
この回から読んだという方は、是非1話から読んでいただけると嬉しいです。
それでは、次回も読んでいただけると嬉しいです。
以上黒歴史製造機イヴでした。