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第19話 その日は近々訪れる。

「短い期間でしたがお世話になりました」


「残念だよ。龍夜君みたいな学生は滅多に見ないからね」


「すみません、でもいつまでも待たせるわけにはいかないので」


「おう若いのに青春してるね〜。まあうちの嫁とも君ぐらい若い時に出会ってそれから長い時を経て今に至るからな」


「今でも全然若いじゃあないですか。それに皐月さんとは長い付き合いなんですね」


「俺も今年で35歳。もうおっさんだよ」


「あはは」


俺は今日でバイトを辞める。

色々やっていたがここが1番楽しかったしやりがいがあった。

辞めるのは惜しいが、天水をいつまでも1人にさせるわけにはいかないからな。


「本田さん、今日までありがとうございました」


「お疲れ様、上手くやるんだぞ。おっとそうだ、ちょっと古臭いやり方だがこれ、ボーナスだ」


少し厚みのある封筒を渡された。


「いいんですか?」


「いいんだよ、沢山働いてくれたしな無理なこともやらせたしな。あと家に帰ってから見るんだぞ」


「本当にありがとうございました」


「おう、もしまたやりたくなったらいつでもおいで、君ならすぐに正社員だよ」


「ではその時が来たらまたお世話になります」


俺は今までの感謝を込めてもう一度一礼し本田書店を後にした。


「りょうくん決めた、私あそこ行きたい、フェイドリ」


「おけ、じゃあクリスマスイヴはフェイドリね」


フェイドリ正式名所『フェイドリームランド』

フェニックスのマスコットがトレードマークのテーマパーク

世界中にありもちろん日本にもある。

結構人気で雨でもない限り常に混んでいる。

フェイドリは俺と天水が初めてデートスポットにしようとした場所。


「本当に連れてってくれるの?結構冗談で言ったんだけど」


「当然だろ、クリスマスだぞイヴだぞ。俺は天水が行きたい所ならどこへでも連れってやるよ」


「ありがとう。私フェイドリ初めてなんだよね」


「行ったことないのか?」


「うん。うちの両親というか特にお父さんが人混みが苦手で連れて行ってもらえなかったんだよね」


知らなかった。

それに特にってことはあの明るい感じのお母さんも苦手なのかな。

天水にも色々あるんだな。


「天水絶対忘れられない夜にする」


「じゃあ夜ホテルに行くの?」


「こらそこそういうことを言ってはいけませんそれにもぞもぞしない」


「いいじゃ、そろそろ生物の壁を超えても」


「俺は線の内側でちゃんと待機する人なので」


「まあいいやそれは別の機会で。でも楽しみにしてるね!」


まだ諦めないのかよ。

でもこの笑顔、いつ見ても可愛い絶対に守ってあげたくなる顔。

それにこれが最後になるかもしれないしな。


「そうそうりクリスマスまでに宿題終わらせてね」


「ふぇ?」


急な言葉につい変な声が出てしまった。


「何変な声出してるの、だって夏休みあれだったんだから」


「いやそれは分かってるけどなんで急に?」


「それは忘れないうちに言わないとって思って」


「はあ〜」


「こら、露骨に嫌そな顔しない。巫狐みこちゃんと聖熊しょうまくんも呼んだから明日から宿題ね」


「へいへい」


まあクリスマスのためだ頑張ろう、俺。


………


「は、は、はくちょん、は、はくちょん」


「りょうくん大丈夫?」


「うん」


今日はやけに冷える。

だがしか〜しそんなこと問題ではない。

なぜなら今日から冬休みだからだ。

待ちに待った冬休み。

ふふふこれからが楽しみ、


「でも、可愛いくしゃみするんだね」


「ん?あーこれ昔からの癖なんだよな」


「そういえばりょうくんのくしゃみ始めて聴いたかも」


「俺はあまり病気とかにはかかりにくいからな」


そう生まれてこのかた病気というのにかかったことはほとんどない。

覚えているもので小学校低学年の時を最後に病気にかかっていない。


「でも、くしゃみは病気関係なく出るけどね」


「確かにー」


でも俺花粉症とかでもないし家でもほとんどくしゃみしないしな。

あっ!でもたまに噂されてるのかなって思うくしゃみは出るな。

今回は単純寒いだけだが。


「でもあれだな、俺は天水のくしゃみは聴けないんだな」


「聴きたい?」


「聴けるの?」


「家に帰ったら、試そっか」


何気ないくしゃみから始まったが…

なんか変なことになった。


………


「順すまんがその日は別の用事で無理なんだよ」


「こらあれの日だって忘れたの?」


「あーあ!あれか、すまん忘れてたは」


「じゃあその日は私に付き合いなさい。ちょっとした用心棒として」


「へいへい分かったよ鶴華。でもわいに用心棒を頼むって大丈夫かよ」


「仕方ないでしょ、本当は天水と龍夜とあんたの4人で行く予定だったけどあれじゃね」


本当は4人で遊ぶべきなんだろうが、やっぱりこういう大切なことは大切な日にしたい。

だから無理を言って順と鶴華にはその日は無しにしてもらった。


「それじゃ頑張りなさいよ、応援しているからね」


「頑張れよ龍夜」


「ありがとう、鶴華、順」


残り期間は1週間

それまでにいろいろ準備しないとな。


「さあ、やるぞ」

いろんな事情で2週連続で更新です。イヴです。

19話読んでいただきありがとうございます。

今回は下準備と言った感じです。

なので普段以上に短くなってしまいましたすみません。

次回はもう少し長くできればいいといや長くします頑張ります。

ですので次回もよろしくお願いします。

次回も読んでいただけると嬉しいです。

以上イヴでした。

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