ダメロス 4
メロスは妹にちょっぴりひねられた後、一通りの事情聴取をしていた。これからまとめに入るところだ。
「つまり、お前は反乱ぐ
「革命軍。」
…の幹部やってて、そのせいで俺はあらぬ疑いをかけられて捕まったと。」
メロスが傍観者の一般人だと思っていたやつらは全員反乱軍の身内だったようだ。確かに一般人なら傍観せずに自宅警備に勤しむだろう。
「お前まじふざけんなあっ!?パシって巻き込むのはこれっきりだって言ったろうがー!」
妹は前科があるらしい。
「だから害虫以下の愚兄に謝ってるのよ。どうせこんなことすぐクリーンになる頭だから忘れるのにも関わらず、これだけ誠意を見せてるの。申し訳はしないけどご免。」
見下し方がえげつない。牧人の彼らにとって害虫は悪魔より生きる権利がない。
注意※悪魔なんてものはこの世界に存在いたしません。
「許すかバカメロウ!珍しく殊勝な態度だが、ゆ る さ ん」
「でしょーね、愚兄は小物に類する器で狭量だから、むしろ寛容だったら怖いわ」
「隣の牢屋のヤツついさっき連れてかれたんだからな!?あとちょっとで処されたわっ!」
「チッ…Gキブリめ。耳障りだから息すんな」
「ここで何をしておる!!!」
国王が単身で異変のあった牢に赴く。普通にない。だが不信の王は他人など信じられんと来てしまったのだ。もう愚昧と言って差し支えない気がする。
「「兄妹喧嘩だよなんか文句あっか!?」」
「は??…いやあるに決まっているだろう!!?!」
「ケンカの邪魔すんなら氏ねぃ!!」
ズルリと国王の左側胸部から自主規制が引きずり出される。ハンター試験の某暗殺者くんがとった行動で大体合ってる。妹が国王を拘束し、兄が重要な器官を引きずり出す。見事な連係プレー。
一応弁解しておくと、メロスはケンカの邪魔をされたぐらいでサクッと殺っちゃうほど血の気は多くない。『殺らないと…殺られるッ!!』なんて状態だったため、致し方なくだ。そこらへん、誤解のないようお願いしたい。
仕切り直して。
メロスらは少々特殊な家庭故に、なんちゃって暗殺術が得意なのである。心臓を引き出すぐらいは造作はあるけど可能だ。『警戒してる相手に暗殺術?』とかのツッコミはなしだ、なにせ世界線が違えばマッハで走れるから。
そうしてメロスは、王の心(臓)を検めた。
そんな偉業を達成した兄妹だったが、どうでもいいとばかりにそっちのけで、どうでもいいきっかけでまたケンカを始めていた。どうでもよすぎてもう本人たちも忘れている。
そして、メロスの一言でケンカが終わることになる。
「るっせー!実母よりウエスト太女ー!」
「あ゛?」
フォローしておくと、妹はちょっとガタイがいいだけで贅肉などない。
身内とはいえ、反乱軍的に女傑(実際は脳筋)の地雷を踏み抜くという蛮勇をふるったメロスを、反乱軍の彼らは勇者と呼んで息子に語り聞かせたという。
即ち、女の人に失礼なこと言っちゃダメだよ?という教訓に。メロスの末路が『メロスだったもの』になったところまで、包み隠さず。
子供になんて話しやがる。一種の優しさですね、わかります。
この話が広まって、この国が紳士の国として親しまれるようになるのは、また別の話である。
蛇足すると『勇者メロス』の話と共に、通行人が通りすがりに二、三度見するような美人と、これまたある意味二、三度見されるか完全に目をそらされるだろう、何かの規制を受けた塊が
「お前ずりぃよ、兄さん好みの健気そうなお嬢さんがいるって言われたらよそ見せざるを得んだろチキショーめッ!!」
「実際いたのに、視力を失うなんていよいよ木偶以下ね」
「お前が隙できた瞬間に自主規制するから、同じくちょっと規制入る感じに気絶したけどなッ!あんな姿ホレるもんもホレられんわっ!」
「あ、お嬢さんが男に横抱きされて運ばれた。やっぱ木偶だな愚兄。」
「アあぁァあァアッ!!!」
なんて感じに、親しげに談笑するという怪談が広まったらしい。『ノンフィクション!完全実録』なんて文句をつけて。
まとめて投下。




