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走れよメロス 5
少しして、メロスは陸上やめるのやめた。
陸上部員たちの間隔を空けての電話にほだされた、とかそんなわけではない。むしろちょっと煙たがっていた。なんとなくの罪悪感はないでもなかったようだが。
理由は至極明快で、ここに帰結するのは予想がついたことと思う。妹の一言である。復唱するが、妹の一言である。
曰く、私を理由に使うなと。やめるなら勝手にやめやがれ、エゴでも自分を理由に使われればバツが悪いと。妹の気を重くさせては意味がない、よしやめるのやめた。
こういうことである。
ちなみに、いまだ入院中の妹が近況を知っているのは母が話したから~…ではなく(入院してから妹につきっきりの母が知るはずもなかったのだ)、陸上部の面々が泣きついたからだ。
先の流れを予想していたから、顧問は退部届の用紙の不足を口実に時間稼ぎしていたのである。元からなかった、おいちゃんとしろよ教師!
…顧問が妹に即時連絡しなかったのは単純に怖いから。おいお前大人だろというツッコミは控えさせてもらおう。結局焦れて部員に『提案』という形でかけさせたわけだが。




