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第二話 時間警察24時

いつの時代にも、こういう人が……

 え? 何? 警察? 警察がおれに何の用だよ。別に酔ってねえよ。はいはい、わかったよ、うるせえな。免許証だろ、ほら、これだよ。えっ、違う、こっちじゃない方の。ああ、警察は警察でも時間警察の方かよ。早く言えよ。ったく、もう。ほらよ。

 そうさ、タイムマシンの方もオートマ限定だよ、悪かったな。それでも、取れさえすりゃあ、こっちのもんさ。マシンもうんと奮発ふんぱつして、新型機で最高時速一億年というヤツを買ったぜ。いやいや、ちゃんと制限速度は守ってるさ。こう見えても、ゴールド免許だぜ。

 でもよ、実際、時間警察ってのも大変らしいな。タイムマシンで悪いことするやつが、いっぱいいるらしいじゃねえか。で、何だい、おれに聞きたいことって?

 ああ、一番最近の旅行のことか。ちょっと連休中に遠出しようと思って、中生代に行ってきたぜ。だけどよ、行く前に急に体調が悪くなっちまって、やめようかどうしようか悩んだよ。だが、せっかくの休みだし、まあ、少しぐらい無理してもいいだろうって、思い切って行くことにしたのさ。

 ところがよ、軽い風邪かぜだと思ってたら、どんどん熱が高くなりやがって、結局、インフルエンザだった、というわけさ。それで、残念だったが予定を半分で切り上げて、現代に戻ったよ。まあ、今の時代、インフルエンザなんて、薬飲めばすぐに治るからな。

 えっ、それがいけなかったって、どういう意味だよ。向こうの動物に感染うつったって言われてもさ。そもそも、インフルエンザって、動物にも感染るのか?

 なになに、元々鳥の病気だから、鳥の仲間にはまれに感染ることがある、ということかい。でもよ、知ってるだろうが、あの時代には鳥はまだいねえぜ。はあ、鳥の先祖ならいるって。それって、始祖鳥とかいうヤツか。え、もっと前の。

 ええーっ、恐竜だって。恐竜は鳥の先祖だったのか、へえー。で、おれのインフルエンザが、アッという間に蔓延まんえんしちまったのか。

 えっ、えっ、ええええええっ! それで絶滅ーっ! そんな、バカな。だって、恐竜の絶滅は巨大隕石が原因だって言うじゃねえかよーっ!

 なんだって。隕石は補助的要因で、一番の原因はおれのインフルエンザだろうって。おいおい、勘弁かんべんしてくれよ。今更いまさらそんなこと言われても、おれ、責任なんて、取れねえよー。

 えっ、責任は問われないのか。結局、それが歴史の必然だろう、ということになるのかい。じゃあ、これは単なる事実確認ってことで、いいんだな。ああ、助かったあ。

 え、念のために、次の時間旅行の予定を言うのか。今度は連休が取れなかったんで近場で、あ、いや、近い時代ってことさ。うん、ちょっと、マンモスっていうのを見てこようと思って、は、は、はあっ、くしょん、ちきしょうめ。いけね、ぶり返したかな。

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