始まり 加奈視点
ゾンビサバイバルの何番か煎じです。
「本日はリビンアイランドにお越しいただきありがとうございます 当島は人工的に造られたレジャー施設、ショッピングモールなど様々な娯楽施設が併設される複合島です......」
このリビンアイランドは2×××年にある大企業が投資をし、2年前オープンした。
娯楽施設が充実していて最先端医療がある病院、偏差値が高いリビンアイランド学園など様々な建物がある人工島だ。
島に行く交通手段はフェリーとモノレールになり、飛行機などはVIPしか使わない、
連日人が多く訪れる人気のスポット。
リビンアイランド学園は偏差値が高く、
制服が可愛いことから倍率は高い人気校
私はそこに通う中井 加奈 16歳
今日は友達の花田 咲と共に母親の誕生日プレゼントを買いに来ていた。
16:00 雑貨店
「はー 良いのがあってよかった 咲ありがとう〜」
「結構歩いたもんね こっちはクタクタよ
後でケーキでも奢りなさいよ」
苦笑と共に咲がため息をつきながら言うと
私は笑いながら了承する。
なんせ今回の買い物は休憩なしで2時間歩き通しだったのだ。
まぁ、財布と相談案件ではあるけどもね。
2人はプレゼントラッピングが済んだ雑貨を持ってカフェに向かうと何やら噴水広場に
人だかりができていることに気づく。
少しの好奇心で近くを通りつつ見ると男性が倒れていたのだ。
男性の腕には傷があり、傷が深いのか血が袖を赤く染めるほど流れていて、男性の連れと医者が必死で失血をしていたのが見えた。
「うわっ すごい出血」
「大丈夫なのかな」
私たちは他の野次馬と同じく男性を見ていたが、
5分ほど経った頃に血の匂いがキツくなり
気持ち悪くなったのでその場を離れ、
本来の目的地カフェに向かった。
16:25 カフェ「ナール」店内
「それにしてもひどい出血だったわね」
何があったのかしらとアイスティーと共に話しだす咲に私も頷く。
切れる場所がどんなに悪くともあんな袖を赤く染め血溜りを作るほど流れるのが可笑しいのだ。
「なんか気味悪いよね」
「あー この話はやめとこう、せっかくの加奈の奢りが台無しになるしね それより、加奈のおば様喜ぶと良いわね」
咲は悪戯っ子の笑い方でプレゼントに指をさす。
私も咲に笑顔で答える。
私の母はアクセサリー作りが好きなのでそれを飾るための猫と犬が仲良く並ぶアクセサリー置きを見てプレゼントに選んだ。
「ご報告はまたLingで連絡します」
「うむ、待っているぞ」
「そういえばさ聞いてよ〜 彼氏がね昨日ーーー」
そしていると
「きゃあぁぁーー!!」と先ほどの噴水広場から悲鳴が聞こえてきた。
何事かと外へ目線を向ける前に…
「ジリリリリリリリリリリリ!!」と
非常ベルが各店舗で同時に鳴り響いた。
何か大変なことが起こっていることは分かるが思考がついてこない。
「何? 何が起こったのよ」
「煩えなこの音」
店内は騒然となり、私は咲と顔を合わせ慌てて外に出て目に飛び込んで来たのは・・・
人の形をしたモノが人を襲い、血が夥しく地面を濡らし、それを舐める人だったモノがいた。
人だったモノが人を食べると人は息絶え数分すると気味悪く歩き出し新たな犠牲者を求めて彷徨い始めた。
これは演出なのだろうか。
それともイベント?
あまりの光景に私は足が動かなかった。
さっきまで楽しく遊んで買い物をしていたのに日常が非日常な光景になった。