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guardian  作者: 大林やも
出会いの春
2/6

第0話 運命の守護神の名のもとに

シリアス満載ですね(´◉◞౪◟◉) ちょこっとネタバレです(。-`ω-) が、エリカには死んだお姉さんとお兄さんがいますが、二人は守護神の手下として働いています。生まれる前に亡くなったので…(ノД`)・゜・。 悲しいストーリーは自分でも泣いちゃうです('Д')

…時は戻り、20xx年、7月の第三月曜日。この日は世間から“海の日”と言われている。そんな日に私はパパとママと一緒に海に遊びに行った。…まさかこんな日に、…こんなことが起きるだなんて。


「きゃはは!ママってば水をかけるのがうまいぃー!」


「エリカこそ!」


「エリカとカリンは仲いいなー、パパも混ざりたいよー。」


「あは、パパはそっちのしごとがあるでしょ~!」


「そうだったな!」


「あなたったら…」


私たちはどこにでもいるような家族だけれど、パパとママは私を生む前に二度流産の経験をしていて一人娘の私にはとても良くしてくれている。


この毎日が楽しいし、勿論退屈なんてしない。むしろしてない。


父は海の街生まれで、海の日には必ず海に来るとママと恋人時代だったころからそう言っていたらしい。私のおばあちゃんやおじいちゃんたちはもう他界していて、三人水いらずで暮らしている。


そう、幸せな日々がこのまま続いたら良かったのに。私たちの運命を変えたのは、荒波と嵐だった。


「舵を上げろー!荒波だ、嵐だーっ!」


遠くから聞こえてくる船頭さんと海の家の人々の声、私たちは戸惑いを隠せなかった。


『この時期に嵐が来るのはおかしい。』父はそう言ってママと私を必死にかばった。

父は船の上で仕事をしていたので、私たちも手伝おうと船に乗っていたのだ。


「危ない!!だめだ、船が沈んできてる…。」


「セージ…そんな…いったいどうしたらいいの?」


「このままだとみんなやられてしまう…。」


どういうこと?戻れないの?それとも…。


「飛び込むぞ!!!」


そういったパパは私とママを抱えて、港に戻る道を選び、船を捨てて泳いだ。ママとパパは私をかばいながら、寒いはずの海にも負けず黙々と港を目指した。


…それが悪かったのか、港に着いた瞬間ママとパパは強度の低体温症で、死が迫っていた。


「嘘だああぁぁあぁっ…!!パパぁ…!!!ママぁ…!!!」


「ほら…エリカ笑って…。」


そういうとママは私の頬に手を当てて告げた。笑えるわけがないよ…。いくら私も…無理…だよぉ…。


「うっ…や…やだよぉお!!一人にしないで…!!私を置いてかないで…!」


「エリカ、よく聞きなさい…。」


そういったパパは手を伸ばし、私の頭を撫でた。もう、体力も体温もない、それでも最後の父の温かさが私に触れた。


「エリカの名前には由来がある…、それは…な。うっ!」


もう喋れるはずがない父の手をそっと握った。自然と涙があふれた。


「幸せな愛を…だ。」


幸せな…愛?…を?


「ママが、ね、大切な、お前につけた、言葉だ。」


きっともう、言葉さえ出てこない状態に私の涙がもっとあふれて、止まらなくなった。


「泣かないで…、泣くならもっと大切な時に使わないと…」


「十分大切な…、っ、と、きだよ…!」


もう、亡骸のように冷えたパパとママの体をぎゅっと、抱きしめた。


「エリカ…いい人を見つけて、いい人と恋をしなさい…パパが生きていれば、エリカが可愛すぎて追い返してるだろうなぁ…」


「うふ、パパったら…。エリカ、最後にもう一つ、だけっ…。」


「やだよ!最後なんて言わないでよ!!生きてよ!!ずっと私のそばにいてよ!!お願いだから、お願いだからっ…!!」


この時、私はわかっていた、パパとママと、永遠のお別れをするって。まだ小さかったけれど、なんとなく予感はしてたんだ。きっと、もう、望みはないって…。


「人を、…っ信じなさい、そして、己を責めないこと、悪い時は謝ること。…いい?パパとママの育て方が悪かったなんて言われれば、天国で泣いちゃうじゃない…!」


「…そんなこといわないでよ…!」


「大丈夫、あなたのお姉ちゃんとお兄ちゃんのところに行ってくるだけだから…、一人になるあなたの方が心配だわ…!…ずっと、愛して…る…。」


そういうと、ママは力が抜けて、天の国に行ってしまった。


「強く生きろよ…俺たちは心の中で生きてるからな…。」


そういうと、パパも一緒に行ってしまった。…私たちが何をしたっていうのだろうか。


「うううううううぁぁぁぁぁぁああああぁぁ!!!!!」


その日は大泣きをした、葬儀も終えて、何もなくなってしまった。家も、家族も、感情も。

そして、喜びも…。 運命は変えられない、…。


「んんっ…」


どうやら悪い夢を見ていたようだ。最悪すぎる。今日は中等部の卒業式か…。


「行ってきます。父さん、母さん。」


仏壇に手を合わせて、私は学校に向かった。








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