【４４話あとがき】女性が苦手なウーマロの扱い
ナタリア「話をする時は相手の目を見るものです」
ウーマロ「ぅ、ぃやっ、それは、その……違うんッス！」
ロレッタ「何が違うですか？ お客さん、いつも顔を背けてるですよね？ あたし嫌いですか？」
ウーマロ「いやっ、そんな、ことは、ななななな、ないッス、ないッスよ！ だた、その、そそそそっそそ」
ヤシロ「まぁ、待て二人とも」
ウーマロ「あぁ、ヤシロさん！ 助かったッス！」
レジーナ「むむむ。女子とは目も合わせないのに、男子とはあんなに親しげに…………あぁ、察し……」
ヤシロ「察せられてねぇから！ お前は今すぐ帰れ！」
レジーナ「イケズやなぁ自分！ そら、イケズとオケツは似とるけども、せやからって……」
ヤシロ「帰れー！」
ウーマロ「あの、ヤシロさん、今の人は……？」
ヤシロ「気にするな。世の中には知らない方がいいこともある」
ウーマロ「は、はぁ……？」
ロレッタ「お兄ちゃん。このお客さん、どうしていつも顔を背けてるです？」
ヤシロ「実は、――エステラナイチチ――で……あ、違った。――カクカクシカジカ――でな」
エステラ「ヤシロ、とりあえず、あとで話をしようね……」
ロレッタ「へぇ～。緊張して言葉が出ないですか」
ナタリア「なんとシャイな……」
ウーマロ「か、かか、顔さえ見、みみ、見なければ、ふ、ふふふ、普通に話せるッスよ」
ヤシロ「いや、話せてねぇから」
ロレッタ「そういうことなら、相手の鼻を見るといいですよ。そうしたら、あからさまに視線を逸らされているような印象を与えずに済むです」
ウーマロ「は、鼻っ！？ むむむむむ無理ッス！ 顔はハードル高いッス！」
ナタリア「では、少し俯き加減になってしまいますが、首筋とかはどうですか？ 鎖骨とか」
ウーマロ「鎖骨っ！？ そ、そんな卑猥なところ、直視出来ないッス！」
ナタリア「……卑猥？」
ヤシロ「じゃあこうしよう！ もうちょっと視線を下げておっぱいを見よう！」
ウーマロ「それもっと無理ッス！ 一番無理ッス！」
ヤシロ「なんでだ？ 俺なんか、相手に気付かれないようにちょいちょい見てるぞ？」
ジネット「あの……ヤシロさん。その…………申し訳ないのですが……気付いています、よ？」
ヤシロ「えっ！？」
レジーナ「自分、露骨に胸見てくるさかいなぁ。ま、いちいち指摘するんもアレやさかいに、気付かんフリしたってるだけやで」
ヤシロ「まさか、他のヤツらも……！？」
ロレッタ「あの、あたしも、気付いてるですよ」
ベルティーナ「気付いていますよ」
ナタリア「気付いていないわけがないでしょう」
ヤシロ「なんてことだ！？」
エステラ「……ねぇ、ヤシロ。…………ボク、気付いてないんだけれど。というか、ボクは見られたことがない気がするんだけど？ これはなに？ 差別？ いや別に見てほしいというわけではないのだけれど、見られないのはそれはそれで……！」
マグダ「……マグダも、気付いていた」
ヤシロ・エステラ「「マグダまでっ！？」」
ウーマロ「あ、あのぉ……とりあえず、オイラの話は、どこいったんッスかね？」
