【挿話9話後感想返し】ヤシロ、あらぬ疑いをかけられる
ヤシロ「こらっ! どういうつもりだ!?」
ナタリア「あなたに、とある罪の嫌疑がかけられています。判決が出るまでこちらでお待ちください」
ヤシロ「待てって……思いっきり牢屋じゃねぇか!」
ナタリア「そういうプレイだと思えば、幾分かは……」
ヤシロ「思えるか!」
ナタリア「では、私が汚物を見るような蔑んだ目で見て差し上げます……ジィ…………」
ヤシロ「わぁ、ゾクゾクする……って、してる場合か! 俺になんの嫌疑がかけられてるんだよ!?」
ナタリア「覗きです」
ヤシロ「覗き!?」
ナタリア「お嬢様の入浴を覗くための抜け道が地下から発見されました」
ヤシロ「それが、なんで俺のせいになるんだよ!?」
ナタリア「女の勘です!」
ヤシロ「狂いまくってるぞ、その勘!」
ナタリア「四十二区内で、一番のおっぱい好きはあなたではありませんか!」
ヤシロ「だったら、もっとおっぱいおっぱいしたところを覗きに行くわ!」
ナタリア「………………確かに」
エステラ「納得しないでくれるかな、そんなことでっ!」
ヤシロ「エステラ。これはどういうことだ?」
エステラ「ヤシロ、分かって欲しいのだけど……ボクはなにも、君を疑っているわけではないんだよ……ただ」
ヤシロ「ただ?」
エステラ「こんなしょうもないことは君くらいしかしないだろうって」
ヤシロ「思いっきり疑ってんじゃねぇか!」
ナタリア「四十二区内において、巨乳も貧乳もイケるのはあなただけじゃないですか!」
ヤシロ「巨乳派ですけどね、俺は!」
エステラ「考えを改めたまえ!」(牢屋を「ガンッ!」)
ヤシロ「お前は、覗いて欲しいのか欲しくないのかどっちなんだ!?」
――牢屋の床「ぼこぼこぼこ」と、土が盛り上がる
弟「ぷはぁー!」
弟「ぷはぁー!」
弟「外に出たー!」
ヤシロ「弟たち!?」
弟「おにーちゃん、捕まったから助けに来たー」
弟「おにーちゃん、連れて帰るー」
エステラ「そうか! 弟たちを使ってお風呂場に抜け道を作らせたんだね!?」
ヤシロ「してねぇわ!」
弟「おふろ?」
弟「あ、おふろ!」
弟「うん、おふろ!」
ヤシロ「なんか心当たりあるのか?」
弟「下水工事の時」
弟「手を洗うために」
弟「お風呂場借りた」
エステラ「地下からじゃなくて、普通に借りてくれないかな!?」
ヤシロ「つまり、その時の穴がそのまま残ってるわけか」
弟「埋め忘れー」
弟「うっかり失念ー」
弟「やってまいましたわー」
ヤシロ「だそうだ」
ナタリア「……お嬢様。謝罪を」
エステラ「ボクが!? ナタリアだってヤシロに違いないって!」
ナタリア「メイドの不手際は、雇い主の責任ですっ!」
エステラ「それをメイドの方が言っちゃダメなんじゃないかな!? ……うぅ、ごめん。悪かったよ、ヤシロ」
ヤシロ「……まったく。今回限りにしてくれよ」
エステラ「もちろんだよ。二度目はない」
ナタリア「そう言えば……今朝洗濯物をしていた際、お嬢様の黒いパンツが数枚行方不明に……」
エステラ「ヤシロ、白状するなら今のうちだよ?」
ヤシロ「二度目、すぐ来たな、おいっ!?」